東京大学は、「免罪符型」の動画広告が、視聴者へ「健康食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」という誤った認識を与える可能性があることを明らかにした。
東京大学は2022年2月14日、「免罪符型」の動画広告が、視聴者へ「健康食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」という誤った認識を与える可能性があることを明らかにしたと発表した。公衆衛生の観点から、免罪符型広告の内容改善の重要性が示唆される。
免罪符型の広告とは、健康食品を不健康な行動に対する免罪符のように描いたものだ。今回の研究では、これまでの研究で免罪符型と特定した、脂肪への効果を訴求する広告を対象に、視聴者の認識に与える影響を調べた。
調査はインターネット上で実施し、788人が参加。脂肪への効果を訴求する免罪符広告を閲覧するグループと、健康食品とは無関係のお茶の抽出方法に関する動画を閲覧するグループに分け、健康食品と健康行動に関する認識について質問した。
その結果、免罪符型の動画を閲覧したグループは、無関係な動画を閲覧したグループに比べて「健康食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」と有意に強く認識した。
免罪符型の広告は、健康食品を摂取すれば不健康な生活をしてもよい、と直接的に訴求しているわけではない。しかし今回の研究により、動画広告のストーリーや登場人物の表情などから、誤った認識を高めていることが分かった。動画により不健康行動が日常的に誘発されれば、その行動による害の方が大きいと考えられ、免罪符型広告の内容改善の重要性が示唆された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.