いすゞ自動車と日野自動車、トヨタ自動車は2022年2月28日、カーボンニュートラルの実現に向けてバスの電動化の取り組みを強化すると発表した。いすゞ、日野、トヨタで立ち上げた新会社Commercial Japan Partnership Technologiesとも連携し、ラインアップを拡充していく。車両コストも低減し、実用的で持続可能な電動車の普及に取り組む。
いすゞ自動車と日野自動車、トヨタ自動車は2022年2月28日、カーボンニュートラルの実現に向けてバスの電動化の取り組みを強化すると発表した。いすゞ、日野、トヨタで立ち上げた新会社Commercial Japan Partnership Technologiesとも連携し、ラインアップを拡充していく。車両コストも低減し、実用的で持続可能な電動車の普及に取り組む。
いすゞと日野は、路線バスタイプのEV(電気自動車)を2024年度から生産する。生産はいすゞと日野の共同出資会社であるジェイ・バスで行う。EVならではのレイアウトの自由度を生かし、従来のノンステップバスよりもフルフラットなエリアを大幅に広げる。これにより、車内移動の安全性を改善し、乗客の車内事故を低減する。開発はいすゞが担当する。
この路線バスタイプのEVをベースとしたFCV(燃料電池車)の企画、開発に向けた検討も開始する。路線バスタイプのEVプラットフォームと、FCVで実績のある燃料電池(FC)システムを組み合わせる。EVとFCVの路線バスで部品を共通化することでコストを大幅に低減する。また、新世代のFCスタックを採用するとともに、これまでのFCバスのノウハウも活用し、より長寿命で付加価値の高い電動バスの提供につなげる。
路線バスタイプのFCVは、トヨタが2018年に「SORA」を発売している。水素タンク10本とFCスタック2基を搭載し、1回の水素充填で約200kmを走行できる。2020年には、移動式の発電所としての機能を重視してSORAに水素タンクなどを追加した「CHARGING STATION」を発表した。
路線バスタイプのEVはBYDも日本で販売している。1回の充電で走行できる距離は「K8」が乗車率65%、エアコン不使用の状態で220km。より大型の「K9」は走行距離が250kmとなる。駆動用バッテリーはどちらもリン酸鉄リチウムイオン電池で、容量はK8が287kWh、K9が324kWhだ。
電動車の導入についてバス事業者が課題に感じているのは、車両価格だけではない。バス事業者の中には自社の整備工場でメンテナンスを行う企業もあり、電動車に対応した故障診断スキャンツールや整備機器の導入、故障時の対応などが課題になるとしている。FCバスの場合はFCV特有のメンテナンスが発生し、水素タンクのレイアウトによっては高所作業も伴う。また、水素ステーションへの往復や、充電で稼働時間が短くなることも運用でハードルになるという。
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いすゞと日野が開発した国産初のハイブリッド連節バス、そのモノづくり力(後編)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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