トヨタのバックアップでいすゞと日野が協力、「3社だからこそできる商用車の課題解決を」モビリティサービス

いすゞ自動車と日野自動車、トヨタ自動車は2021年3月24日、商用車のCASE対応で協業するため新会社を設立すると発表した。また、いすゞとトヨタは資本提携に合意し、428億円を相互に出資する。

» 2021年03月25日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 いすゞ自動車と日野自動車、トヨタ自動車は2021年3月24日、商用車のCASE(※)対応で協業するため新会社を設立すると発表した。また、いすゞとトヨタは資本提携に合意し、428億円を相互に出資する。再びトヨタから出資を受けることについていすゞ 代表取締役社長の片山正則氏は「投資のミスマッチがあって過去に資本関係を解消しているが、『また機会があれば』という関係だったことが大きい」とコメントした。

(※)コネクテッド、自動運転、シェアリング/サービス、電動化

会見に出席した3社のトップ(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

 乗用車メーカーと同様に商用車メーカーも自動運転や電動化、コネクテッドに対応することが求められているが、乗用車と比べて販売台数や売り上げ規模が小さいため、単独では投資の負担が大きい。こうした環境を受け、「日野といすゞが一緒にやれば日本の商用車の『8割』のお客様と向き合い、その現実を知ることができる」(トヨタ 代表取締役社長の豊田章男氏)という考えに基づき協力する。

 物流事業者は特定の商用車メーカーのトラックだけを使うことはなく、「日野だけ、いすゞだけの取り組みは、ユーザーにとって利便性向上にならない。コネクテッドがその例で、1つの統一されたシステムで使いたいというニーズに応えられていなかった」(片山氏)というような課題もあった。トヨタがバックアップすることで、これまでライバルだった日野といすゞが組みやすくなったという。

 電動化には3社が共同で取り組むことで車両コストの低減を図るとともに、福島県での燃料電池(FC)トラックの実証などインフラも含めた普及に向けた取り組みを加速させる。コネクテッドサービスでは、3社の基盤を連携させることで物流ソリューションを提供。電動化だけでなく、商用車の輸送効率の向上にも取り組むことでCO2排出削減を進めていく。

 共同出資で設立する新会社の社名は「Commercial Japan Partnership Technologies(CJPT)」で、CASE関連の技術やサービスを企画する。本社は東京都文京区に置き、2021年4月1日から事業を始める。出資比率はトヨタが80%、いすゞと日野が10%ずつだ。代表取締役社長はトヨタ CVカンパニー プレジデントの中嶋裕樹氏が務める。

 いすゞと日野はそれぞれ海外商用車メーカーと協業しているが、今回の3社での取り組みは重複しないとしている。いすゞがボルボグループと、日野がVolkswagenグループの商用車ブランドを統括するTRATONと取り組んでいるのは大型トラックが主であり、トヨタ日野いすゞの3社では中小型トラックやバン、ピックアップをターゲットとする。

 商用車には、ドライバーの負担増加に起因する人材不足、積載効率よりも納入時間や場所指定が優先される非効率さ、カーボンニュートラルへの対応といった大きな課題がある。物流効率の改善は車両と架装、荷物、ドライバーの連携が不可欠だが、「日野といすゞだけで解決するのは難しい。トヨタのCASE技術に期待している」(片山氏)とし、3社ならではのシナジー効果創出を目指す。また、営業車として使われているトヨタの乗用車のビッグデータも含めて活用することで運行計画を立てやすくし、「無理して走らなくてもいいという環境づくりから安全につなげたい」(日野 代表取締役社長の下義生氏)。

 カーボンニュートラルに向けては、乗用車だけでなく商用車でも高い目標が課される見通しだ。広く普及することを前提に技術開発に取り組んでいく。

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