ロームは、電源IC向けの新しい高速負荷応答技術「QuiCur」を発表した。内部の誤差アンプを2段にすることで、帰還回路の高速応答と電圧の安定動作を可能にし、部品点数や設計工数の削減に貢献する。
ロームは2022年2月3日、電源IC向けの新しい高速負荷応答技術「QuiCur(クイッカー)」を発表した。帰還回路の高速応答と電圧の安定動作を可能にし、部品点数や設計工数の削減に貢献する。同年4月にQuiCur技術を搭載したDC-DCコンバーターICを、同年7月に同リニアレギュレーターのサンプル出荷を予定している。
QuiCurは、内部の誤差アンプを2段にすることで、応答速度に関わる制御系と電圧安定度に関わる補正系の信号処理を分けた。これにより、応答性能の指標となるゼロクロス周波数を、安定制御領域と不安定領域の境界線上へ狙った通りに設定でき、帰還回路において出力電圧の変化に素早く対応しつつ、電圧の発振を抑えることに成功した。
電源ICの出力コンデンサーの静電容量を従来の半分以下にしても応答性能を維持できるため、部品点数や基板実装面積の削減につながる。さらに、QuiCurを同社の超安定制御技術「Nano Cap」と組み合わせると、出力コンデンサー容量をナノFオーダーまで低減可能だ。
逆に、出力コンデンサー容量を大きくしても瞬時の応答性能は変わらず、静電容量と出力電圧変動を線形的に調整できる。
仕様変更にも柔軟に対応し、安定動作を提供するため、DC-DCコンバーターやリニアレギュレーターなど、さまざまな電源ICで利用できる。
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