剛性を最大化するはりの形状を求めるフリーFEMソフトとExcelマクロで形状最適化(3)(2/3 ページ)

» 2022年02月07日 10時00分 公開

平均コンプライアンスを最小化、剛性を最大化するはりの形状

 それでは、ラグランジュの未定乗数法を使って、平均コンプライアンスを最小化、つまり剛性を最大化するnとaを求めましょう。

 ラグランジュ関数L(式4)は次式となります(式15)。

式15 式15

 式5を計算しましょう(式16)。

式16 式16

 第1項のL3-3nの微分は以下のようにします(式17)。

式17 式17

 両辺を微分します(式18)。

式18 式18

 2つの関数の商の微分公式は次式でした(式19)。

式19 式19

 よって、式16は以下のようになります(式20)。

式20 式20

 「こんな微分は学生のときにやって以来で、社会人になって初めてだ!」という方もおられると思いますが、少しお付き合いください。

 式6を計算しましょう(式21)。

式21 式21

 式20式21で割り算します(式22)。

式22 式22

 n=1/2となりました。式1は次のようになります(式23)。

式23 式23

 あれ、どこかで見た式ですね。“平等強さのはり”と同じ結果となりました。平等強さのはりは、剛性最大のはりでもありました。こんなことは材料力学の講義では習いませんでした。筆者も本連載を書きはじめて知りました。

 では、aを求めましょう。

 式3式23を代入します(式24)。

式24 式24

 λを求めましょう。式21式23式24を代入します(式25)。

式25 式25

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