経済産業省は2022年2月1日、脱炭素に向けた社会や経済システムの変革を推進するために、企業と官民学のプレイヤーによる「GXリーグ」を設立するとして、その基本構想を発表した。
経済産業省は2022年2月1日、脱炭素に向けた社会や経済システムの変革を推進するために、企業と官民学のプレイヤーによる「GXリーグ」を設立するとして、その基本構想を発表した。参加企業にカーボンニュートラル達成に向けた自主的な取り組みを促すとともに、温室効果ガス(GHG)排出量取引の仕組み導入も視野に入れる。
同省の発表資料では、GXリーグでは政府が掲げる「2050年までのカーボンニュートラル達成」を1つの目標として、企業のGHG排出量削減に向けた取り組みを、取引先や消費者などサプライチェーンに関与する各種プレイヤーと協働しつつ進めるための場としている。
参加企業は、以下に挙げるような取り組みを進めることになる。
GXリーグ全体としてはワーキンググループなどを通じて社会の未来像を検討し、それを踏まえた「CO2フリー製品の表示方法」「炭素情報の流通方法」などのルールメイキングを行うとともに、IoT(モノのインターネット)やブロックチェーンなどの技術の社会実装を目指す。
また、2050年までのカーボンニュートラル達成に向けて2030年までの目標、計画を策定して市場に開示した上で、毎年の進捗状況を取りまとめて公表する。目標未達になる場合は「カーボン・クレジット市場」を通じて、クレジットを通じた排出量取引を行う。
参加企業のメリットとしては、GXリーグの賛同項目や取り組み実施内容を公表することで、カーボンニュートラル達成のための資金や人材が集まることや、オープンイノベーションによる事業機会の拡大などが挙げられている。
カーボン・クレジット市場については、「将来の仕組みに向けた準備のための取り組み」(プレスリリースより)と位置付けられている。政府が掲げる削減目標の達成進捗が厳しい状況になった場合は、政府によるカーボンプライシングへの移行も視野に入れるという。
経済産業省では今後「GXリーグ設立準備事務局」を立ち上げるとともに、GXリーグの構想に賛同する企業を募集し、カーボン・クレジット市場などの実装に向けた詳細設計の議論、取り組みの実証事業を2022年度に開始する準備を進める。賛同企業の募集締め切りは2022年3月31日。
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