MOXAは、「IIFES 2022」に初めて単独出展を行った。CC-Link IE TSN用ネットワークスイッチをはじめとし、工場内のセンサーデバイスレベルから工場全体までをカバーする多岐にわたる産業用ネットワーク製品群を紹介した。
台湾の産業用ネットワーク関連機器メーカーであるMOXAは、「IIFES 2022」(リアル展、2022年1月26〜28日、東京ビッグサイト)に初めて単独出展を行った。CC-Link IE TSN用ネットワークスイッチをはじめとし、工場内のセンサーデバイスレベルから工場全体までをカバーする多岐にわたる産業用ネットワーク製品群を紹介した。
MOXAは1987年に創業した台湾の産業用ネットワーク関連機器のグローバル企業である。特に産業用イーサネットスイッチでアジアで高いシェアを持つ。日本国内に向けては、工場内でのIoT(モノのインターネット)活用の動きが広がる中で工場用ネットワーク向けでの取り組みを数年前から本格化したところだ。
MOXAの特徴は、産業用を専門としたネットワーク企業であるという点だ。産業向けの性能や機能などを取り入れた製品群を豊富にそろえている。また、ネットワーク管理ツールなども充実しており、工場内のネットワーク機器の管理なども容易に行えることが特徴だ。
Moxa Japan IIoT ビジネス開発マネージャの長澤宣和氏は「産業向けの豊富なネットワーク製品群を持つことが特徴だ。特に、エッジレベルの接続機器をそろえているところにある。スイッチングハブやデバイスサーバ、リモートI/Oなど現場で使える機器を持つことが強みだといえる」と述べている。
今回はこれらの豊富な製品群を紹介した他、新たにTSNへの取り組みを紹介した。TSNは「Time Sensitive Networking」で、イーサネットをベースにしながら時間の同期性を保証しリアルタイム性を確保できるようにしたネットワーク規格である。特徴として、物理層などはそのままに、時刻同期や優先的に通すデータを制御する機能などを加えることができ、リアルタイム性の確保が可能である点などがある。IEEEなどでいくつかの規格で定義されている。
長澤氏は「TSNはネットワーク階層のL2に位置付けられる技術で、今後さまざまな産業用ネットワーク規格の基盤になっていく技術だと考えている。MOXAとしてはグローバルで積極的に対応を進めていく方針だ」と述べている。
これらを背景にいち早くTSNに対応した産業用ネットワーク規格である「CC-Link IE TSN」対応の産業用ネットワークスイッチを開発。さらに同製品はダブルブランド製品として三菱電機にも供給しており、三菱電機から、CC-Link IE TSN対応 産業用マネージドスイッチ「NZ2MHG-TSNT8F2」として2021年12月に発売している。
新たに発売したCC-Link IE TSN対応の産業用ネットワークスイッチ「TSN-G5008シリーズ」は、8個のギガビットイーサネットポートと最大2個の光ファイバーポートを備えたフルギガビット設計の産業用TSNスイッチである。CC-Link IE TSN Class B認証を取得しており、1マイクロ秒レベルの時刻同期に対応する。長澤氏は「MOXAはグローバルでは既によく知られているが、日本での知名度はまだまだ低いと考えているので、三菱電機とのダブルブランド製品の展開なども通じて、認知度向上につなげていきたい」と語っている。
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