一方、アドバンストクラスの競技内容は前回から大幅に変更された。大きく変わったのは、前半のコースが簡単になったことだろう。カーブが3つだけという、極めてシンプルなコースになっており、ショートカットもあまりできない。これは、後半の課題「ブロックビンゴ2021」に集中してもらうためだったという。
ブロックビンゴは、3×3のマス内にブロックを運ぶという競技。ブロックが3個並べばビンゴとなり、その数が多いほど高得点となる。前回も課題はブロックビンゴだったのだが、結果は、ほとんどのチームが1列も達成できないという惨憺たるものだった。今回は、前半の負担が減ったので、その分、後半に注力できるというわけだ。
競技では、4色のカラーブロック×2個と、黒ブロックを使用。前回に比べ、採点ルールは複雑になっているが、基本的には、中央に黒ブロック、外側の8マスには、色を合わせたカラーブロックを置く形となる。9個のブロックをこのように配置できれば、パーフェクト達成だ。
ちなみに今大会では、ブロックの初期配置が全チームで共通になった。ブロックの位置によっては、パーフェクト達成のための走行距離が長くなることもあるので、全チームで共通なら公平になるのだが、実機のリアル大会だと、後から走行するチームが対応してしまうので、走行ごとに変えるしかなかった。
今回のようなオンライン大会では、事前に提出したプログラムを実行させているので、同じ初期配置を使っても問題はない。ただ、地区大会時の初期配置よりも、パーフェクトのためには長く走る必要があるそうで、難易度は上がっている。そのためか、制限時間ギリギリで間に合わなかったチームも見られた。
出場した10チームの中で、パーフェクトを達成したのは3チーム。特に目を引いたのは、1位となった「PSDGs」(パナソニック システムデザイン)だ。制限時間を20秒ほど余らせてのパーフェクト達成はダントツの早さ。ムダのない動きでライン上からポイッとブロックを投げ、タイムロスがほとんどないのは見事だった。
しかし総合順位では、モデル部門で1位となった「DENSO Pathfinder」(デンソー)が逆転で優勝。同チームは競技でも3位に入り、L/R両コースでパーフェクトを達成するなど、非常に完成度が高かった。
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