それでは、まずプライマリークラスの結果から紹介していこう。今回のコースで特徴的なのは、半径が小さい急なS字のカーブがあることだ。地区大会ではここを曲がりきれずに脱落したチームも多かったそうだが、さすがにチャンピオンシップ大会となると、出場した29チームのほとんどが難なく完走していた。
後半の課題「スラローム」は、L字の板上にペットボトルが逆さまに立てられており、そこを通過するというもの。ペットボトルは6本あり、通過後に残っていた本数が多いほど高得点となる。倒れた方向によっては、走行体の障害となったり、他のペットボトルも倒したりと、ちょっと運要素もある競技である。
このスラロームは、前回とほぼ同じ内容である。前回は回避を諦め、そのまま直進するチームも目立ったのだが(通称「ドスコイ走行」)、今回は多くのチームが回避にチャレンジしていた。回避のやり方としては、超音波センサーでペットボトルを検知する方法や、自己位置推定のみで走行ルートを決める方法がある。
今回は、半数以上のチームがパーフェクトを達成。となると順位はショートカット勝負ということになるが、「チームHAL大阪2」(日本教育財団 HAL大阪)と「EMP」(麻生情報ビジネス専門学校 電子システム分野)が19.5秒の同タイムで最速ゴール。社会人チームを抑え、専門学校の2チームが優勝したのは見事だった。
(※)記事中の各チームの走行映像は、「ETロボコン2021チャンピオンシップ大会」の公式YouTube映像(全5時間42分)を引用しているため動画サムネイルは同じですが、各チームが走行するタイミングから再生するように設定してあります
また3位に入った「MSモード2」(三井住友海上火災保険 IT推進部)は、保険会社のチーム。モノづくりやITの企業が多い中、保険会社というのはETロボコンでは異色といえるが、19.8秒という好タイムでゴール。目標は“金融業界初のチャンピオンシップ大会出場”だったそうだが、初参加で3位という最高の結果となった。
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