金属3DプリンティングシステムがD2工具鋼に対応、冷間金型などの造形に:3Dプリンタニュース
アルテックは、同社が国内一次代理店を務めるDesktop Metalの金属3Dプリンティングシステム「Studio System 2」用のD2工具鋼の取り扱い開始を発表した。販売開始時期は2022年1月末を予定する。
アルテックは2022年1月12日、同社が国内一次代理店を務めるDesktop Metalの金属3Dプリンティングシステム「Studio System 2」用のD2工具鋼の取り扱い開始を発表した。販売開始時期は同年1月末を予定する。
現在認定されているStudio System材料の中で最も熱処理後の硬度が高く、工具材料グレードの強度を必要とする新たなアプリケーションへの適用拡大が期待される。
D2工具鋼は、熱処理後の硬度と圧縮強度に優れ、非常に高い耐摩耗性、寸法安定性、および硬化状態での耐食性を特徴とする。今回のD2工具鋼への対応により、冷却機構を備えた試作金型や少量の射出成形部品の冷間金型など、工具鋼パーツをStudio System 2で手軽に造形できるようになる。
Studio System 2を用いてD2工具鋼で造形した自動車フレーム部品製造用のスタンピングダイ(Egar Tool and Dieの事例)[クリックで拡大] 出所:アルテック
Studio System 2は、MIM(金属粉末射出成形)を応用した独自のBMD(Bound Metal Deposition)方式を採用する金属3Dプリンティングシステムで、“造形+焼結”というシンプルな2段階プロセスでの金属パーツ製造を実現する。
Desktop Metalの金属3Dプリンティングシステム「Studio System 2」[クリックで拡大] 出所:アルテック
⇒ その他の「3Dプリンタ」関連ニュースはこちら
- コロナ禍で生まれた3Dプリンタ活用の流れが、デジタル製造を加速
コロナ禍で、あらためてその価値が再認識された3Dプリンティング/アディティブマニュファクチャリング。ニューノーマルの時代に向け、部品調達先や生産拠点の分散化の流れが加速していく中、サプライチェーンに回復力と柔軟性をもたらす存在として、その活用に大きな期待が寄せられている。2021年以降その動きはさらに加速し、産業界におけるデジタル製造の発展を後押ししていくとみられる。
- 3Dプリンタの可能性を引き上げる材料×構造、メカニカル・メタマテリアルに注目
単なる試作やパーツ製作の範囲を超えたさらなる3Dプリンタ活用のためには、「造形方式」「材料」「構造」の3つの進化が不可欠。これら要素が掛け合わさることで、一体どのようなことが実現可能となるのか。本稿では“材料×構造”の視点から、2020年以降で見えてくるであろう景色を想像してみたい。
- いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。
- 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。
- 3Dプリンティングの未来は明るい、今こそデジタル製造の世界へ踏み出すとき
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、サプライチェーンが断絶し、生産調整や工場の稼働停止、一斉休業を余儀なくされた企業も少なくない。こうした中、サプライチェーンに回復力と柔軟性をもたらす存在として、あらためて3Dプリンタの価値に注目が集まっている。HP 3Dプリンティング事業 アジア・パシフィックの責任者であるアレックス・ルミエール(Alex Lalumiere)氏と、日本HP 3Dプリンティング事業部 事業部長の秋山仁氏に話を聞いた。
- 絶対に押さえておきたい、3Dプリンタ活用に欠かせない3Dデータ作成のポイント
3Dプリンタや3Dスキャナ、3D CADやCGツールなど、より手軽に安価に利用できるようになってきたデジタルファブリケーション技術に着目し、本格的な設計業務の中で、これらをどのように活用すべきかを提示する連載。第4回は、3Dプリンタを活用する上で欠かせない「3Dデータ」に着目し、3Dデータ作成の注意点や知っておきたい基礎知識について解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.