買収起点に拡大続けるコニカミノルタのセンシング事業、今後はHSI技術に期待FAニュース(2/3 ページ)

» 2022年01月19日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

ディスプレイ光計測ではマイクロLEDやバックライトのミニLED化に対応

 センシング事業の主力となる光源色領域のディスプレイ光計測は、ブランドオーナーやディスプレイパネルメーカー、EMSなどバリューチェーン全体に浸透しており、グローバルシェアは約6割に達するという。

ディスプレイ光計測の市場機会 ディスプレイ光計測の市場機会。バリューチェーン全体に浸透し、グローバルシェアは6割に達する[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

 亀澤氏は「フラットパネルディスプレイの材料が液晶から有機EL、そしてマイクロLEDへと進化し、液晶ディスプレイでもバックライトのミニLED化などが起きている。さらに、情報端末では顔認証デバイス、自動車では電子ミラーが搭載されるようになっている。これらの需要に応える計測器を顧客に密着して提供することで高いシェアを実現できている」と説明する。

情報端末のニーズ変化、顧客技術の変化に対応してソリューションを提供してきた 情報端末のニーズ変化、顧客技術の変化に対応してソリューションを提供してきた[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

 物体色計測領域は、大まかに「色の違いを視る」「色づくりに貢献する」の2つに分けられる。自動車や情報端末、化成品など多種多様な顧客の製品に向けて、10万台の計測器が市場で稼働しているという。これらのさまざまな顧客、用途に対応するため、コニカミノルタの直販組織に色と光の高度な知見を持ったエキスパートを配し、ディストリビューターと連携してグローバルチームとして対応している。「当社の製品が微妙な色の違いを見分けられるとともに、ハードウェアのバラつきが極めて小さいこともあり、基準器として認定されることも少なくない」(亀澤氏)。

物体色計測領域での市場機会 物体色計測領域での市場機会[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

 特に材料や部品の色の品質を重視しているのが自動車業界だ。コロナ禍や部品、材料不足もあって大きく変化する自動車業界のサプライチェーンに向けて、コニカミノルタは複数拠点での部品や材料の管理に適した色/光沢同時計測システムを2021年に投入し、提案を強化している。

自動車領域での市場機会 自動車領域での市場機会[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

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