General Motors(GM)は2021年11月17日(現地時間)、EV(電気自動車)の生産拠点として全面改修したデトロイトのハムトラミック工場を公開した。改修の投資額は22億ドル(約2520億円)。2022年モデルの「ハマーEV」、2024年モデルの「シボレーシルバラードEV」「クルーズオリジン」の他、未発表のEVの生産を予定している。フル稼働時は2200人を雇用する。
General Motors(GM)は2021年11月17日(現地時間)、EV(電気自動車)の生産拠点として全面改修したデトロイトのハムトラミック工場を公開した。改修の投資額は22億ドル(約2520億円)。2022年モデルの「ハマーEV」、2024年モデルの「シボレーシルバラードEV」「クルーズオリジン」の他、未発表のEVの生産を予定している。フル稼働時は2200人を雇用する。
ハムトラミック工場はEVの組み立て拠点「ファクトリー・ゼロ」として2021年秋から稼働し、ハマーEVは年内に納車される。北米でのEV生産は、2025年までに生産能力の20%、2030年までに50%まで高まるという。
ファクトリー・ゼロで生産するEVは全てGM独自のEVプラットフォーム「アルティウム」をベースとする。アルティウムには、車両アーキテクチャ、バッテリー、ドライブユニット、モーター、パワーエレクトロニクス部品などが含まれている。機械や工具、組み立て工程の共通化や合理化にも寄与している。
今回の投資額は、更地に新工場を建設する場合と比べて3分の2に抑えられたという。EVの組み立て工程のうち、80%が従来工程と同じになると見込んでおり、過去の生産工程を活用して改良しながら生産拠点を増やしていく。また、バーチャルツールを活用して生産技術部門と連携することにより、生産開始までの期間を1年未満に短縮した。組み立て工場を新たに建設する場合は、用地の選定から稼働まで最大で4年かかるという。
今後、電動車の生産拠点に改修するに当たってのモデルケースとなり、新工場を建設せずに既存の工場を改修することで、2030年までに投資を150億ドル(約1兆7200億円)抑制。このコストを、商品やサービス、技術などに戦略的に再投資する。
なお、改修に当たっては古い建屋の床を破砕したコンクリートを工場周辺の仮設道路で再利用するなど、発生した資材をリユースまたはリサイクルしたという。雨水を冷却塔や消火システムで活用するなどリサイクルによる排水コスト削減を実施した他、ソーラーカーポートや地上設置型ソーラーパネルを設けた。
ハムトラミック工場のオープンセレモニーには、米国大統領のジョー・バイデン氏や全米自動車労働組合(UAW)など関係者が参加した。GMの会長兼CEOであるメアリー・バーラ氏は「GMの米国における製造技術こそが、全車を電動化する未来の実現に向けたカギになる」とコメントした。GMは2035年までに小型商用車をゼロエミッション化する目標だ。
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