日産が「売らない小売店」にEVを置いたワケモノづくり総合版メルマガ 編集後記

入り口で存在感を放っています

» 2021年11月18日 12時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 この記事は、2021年11月18日発行の「モノづくり総合版メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


 思ったよりも存在感のある展示の仕方でびっくりしました。2021年11月15日にオープンした「b8ta TOKYO Shibuya」(東京都渋谷区。以下、渋谷店)を取材で訪れた時の感想です。店舗入り口には日産自動車の新型クロスオーバーEV(電気自動車)「アリア」がどん! と設置されており、なかなか迫力があります。店舗外から見ると、ディーラーと勘違いしかねません。

 b8taは「売らない小売店」をコンセプトに、さまざまな最新製品を展示して、来店客の反応をデータとして収集、出品者にフィードバックする企業です。取材時の渋谷店ではコミュニケーションロボットやスピーカーといった家電やガジェットを中心に、完全栄養食などの食品、化粧品が展示されていました。ただ、基本的に展示されているのは部屋に置けるインテリアのようなサイズ感の製品が大半です。ですから、アリアはまさに「規格外」の大きさの展示物だといえますし、際立って目立ちます。

 なぜ日産自動車は、最新家電/ガジェットがひしめくb8taにアリアを出品したのでしょうか。日産自動車 日本マーケティング本部 副本部長の増田泰久氏は「『ニッサン』の看板の下で新規顧客の裾野を広げることに限界を感じたからだ」と語ります。

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