ステップ2の「日米連携による次世代半導体技術基盤」の確立については、2020年後半の実用化を見据えて、TSMCなどを含む先端半導体製造プロセスの前工程(More Moore、微細化ビヨンド2nm)、後工程(More than Moore、3Dパッケージ)や、次世代パワー半導体などの次世代半導体技術開発を既に開始している。これらの国内での取り組みに対し、米国政府および米国企業との連携の枠組みを構築し、技術革新を加速させるとともに、経済安全保障の面でも安全を確保していく。
具体的には、先端半導体製造プロセスについては「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発基金(2000億円)」を活用し、産業技術総合研究所 TIA推進センターが中心となり、各種研究を進めていく。パワー半導体の次世代研究については「グリーンイノベーション基金(2兆円)」の一部を活用していく。
ステップ3の「グローバル連携による将来技術基盤」の確立については、次世代の光電融合技術の研究開発などを支援していく他、オープンイノベーションの活性化などこれらの研究開発を加速させる体制整備に力を注ぐ方針だ。
光の技術と電子回路の技術を融合させる光電融合技術は、伝送速度向上により情報処理性能を大幅に向上させる技術だと期待されている。これらの技術は日本企業が先行しており、グリーンイノベーション基金などを活用し第3世代となる技術開発が進められている。さらに第4世代以降も技術開発を継続するために、持続的な支援を進めていく方針だ。
また、先端技術の開発を推進するためには、国内に閉鎖するのではなく、グローバル企業との産学連携が自律的に発展する体制が求められているが、ベルギーのIMECや米国のAlbany NanoTechなどを指標とし、グローバルでのオープンな半導体オープンイノベーションに関する枠組みを立ち上げる。経済産業省、文部科学省、企業、大学、国の研究機関が連携し、次々世代に向けた基礎研究(オープン)から直近の実用化(クローズ)を見据えた研究開発を戦略的に推進する。
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