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» 2021年10月18日 06時00分 公開

他社エンジンやモーター追加もOK、自由なルールでドリフト競う「D1グランプリ」モータースポーツ超入門(10)(1/3 ページ)

クルマを横滑り(ドリフト)させて、ダイナミックな角度と速度、美しさを競うモータースポーツが「D1グランプリ」だ。ドリフトと言えば、深夜の峠道や埠頭で違法改造車がタイヤのスキール音をかき立てて走り回るイメージがあるものの、D1はれっきとしたサーキット競技だ。2002年にシリーズがスタートした、日本発祥のモータースポーツである。

[福岡雄洋,MONOist]

 クルマを横滑り(ドリフト)させて、ダイナミックな角度と速度、美しさを競うモータースポーツが「D1グランプリ」だ。ドリフトと言えば、深夜の峠道や埠頭で違法改造車がタイヤのスキール音をかき立てて走り回るイメージがあるものの、D1はれっきとしたサーキット競技だ。2002年にシリーズがスタートした、日本発祥のモータースポーツである。

白煙を上げてコーナーをダイナミックに駆け抜けるのがD1の醍醐味だ[クリックで拡大] 出所:D1GP

 観戦者に対するアピール力、エンターテインメント性の高いモータースポーツとして人気を博しており、2017年には世界自動車連盟(FIA)が国際格式の世界一決定戦「FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ」を日本で開催するなど、今やドリフトはグローバルモータースポーツに成長している。

→連載「モータースポーツ超入門」バックナンバー

中高年には懐かしく、若年層には古くてカッコいい

 D1は2001年に行われた「全日本プロドリフト選手権」を前身とする。翌年には大会名称を現在のD1グランプリに変更。発案者である元プロレーサーでドリフトキング(ドリキン)の異名を持つ土屋圭市氏と、チューニング雑誌「OPTION」の創始者である稲田大二郎氏による「ドリフトで飯が食えるようにしたい」との思いを具現化させることを目的に、世界に類を見ない日本発のモータースポーツカテゴリーが誕生した。

 D1はシリーズ開始以降、参加マシンの多くが国産の2ドアFRスポーツカーをベースにしてきた。日産自動車「シルビア」「180SX」、トヨタ自動車「スプリンタートレノ」、マツダ「サバンナRX-7」など、今はなき小型スポーツカーが歴代チャンピオンマシンとして名を連ねている状況だ。また、トヨタ「マークII」「チェイサー」、日産「スカイライン」「ローレル」、スバル「インプレッサ」、三菱自動車「ランサーエボリューション」など4ドアスポーツカーもD1で活躍してきた。

 こうしたスポーツカーの多くは1990年代の排ガス規制強化で姿を消しているが、D1では今でもベース車両として現役で走っている。ボディーはロールゲージで補強、エンジンは他車種の個体に載せ替えるなど、中身は全くの別物だが、当時の外観のままダイナミックにドリフトする姿は中高年のクルマ好きには懐かしく、若年層のファンには古いけれどもカッコいいマシンとして映っている。今のD1は、こうした1980〜1990年代のスポーツカーと、最新のトヨタ「スープラ」「86」などが競い合うレースなのだ。

2台のマシンが同時に走る追走競技[クリックで拡大] 出所:D1GP
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