大幅な性能向上を果たした一方で、内部アーキテクチャは初代のFPから互換性を維持しておりソフトウェアの再利用性は高い。「半導体メーカーが提供する汎用のネットワークプロセッサと比べて、より柔軟な機能性を実現するためのフルプログラマビリティーにこだわって開発してきたのがFPだ。互換性についても確保しており、FP5を搭載するルーターの導入初日から従来のソフトウェアを利用しての運用を始められる」(鹿志村氏)という。
このFP5を4個搭載する新開発のラインカードの帯域幅は14.4Tb/s(インテリジェントアグリゲーション機能を搭載する場合は19.2Tb/s)で、800GbEと1.6Tb/sのクリアチャネルルーティングインタフェースを備えている。また、ラインレートを低下させることなくDDoSフィルタリングや暗号化を可能にするセキュリティ機能「ANYsec」も追加した。
ルーターのシャシーは、2スロット以下の小型品ではFP5のラインカード専用のものを用意する一方で、6スロット以上の大規模品ではFP4のラインカード向けのものをアップデートすることでFP5のラインカードも利用できるようにした。CSPのネットワークへの投資サイクルは10年程度と長いことからも、4年前に発表したFP4のラインカードのシャシーは活用できれば既存ユーザーにとってメリットは大きい。
なお、6スロットを備える「7750 SR-7s」のシステム容量は、FP4のラインカードを用いる場合28.8Tb/sだが、FP5のラインカードを用いると86.4Tb/sとなる。システムとしての消費電力(定格)は同じ12kWであることから「同一の消費電力で3倍の性能向上といえる」(鹿志村氏)という。
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