同様に他国についても見てみましょう。図2がドイツ、図3が韓国のGDP生産面のグラフです。どちらも工業立国らしく、工業が最大産業で大きく成長していることが確認できますね。その他の産業もおおむね右肩上がりであることが分かります。
それでは、日本はどうでしょうか。図4が日本のGDP生産面についてのグラフです。
ドイツや韓国と同様に工業が最大の産業ですが、大きく様相が異なりますね。まず、全体的にどの産業の付加価値も横ばいです。そして最大産業である工業が、近年持ち直し気味ではあるものの、1997年から減少し停滞しています。
1997年には140兆円だったのが、直近では130兆円弱にとどまり、20年以上前の水準すら超えていません。建設業も減少した後は停滞が続いており、1997年から10兆円ほど減少しています。
こうして見ると、最大産業の工業が、増加どころか縮小しているのは驚きの状況ではないでしょうか。そしてその工業に替わるような成長産業と呼べる産業も見当たりません。公務・教育・保健と専門サービス業が、やや規模も大きく増加基調である程度でしょうか。
ここではまず、日本の産業ごとの付加価値が全体的に停滞していて、特に工業(製造業)が減少しているという点を覚えておいていただきたいと思います。
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