2D図面の“一義性”を考える【その2】図形の表し方3D CADとJIS製図(4)(2/3 ページ)

» 2021年09月02日 10時00分 公開

3.加工方法

 部品図は、部品を製作する人にとって重要な媒体になります。そのため、設計者はその部品の加工方法についても理解しておく必要があります。

 筆者は新入社員研修の中で、「機械設計7つ道具」(図6)について講義を行っていますが、特に“機械加工”について重要視しています。

機械設計7つ道具 図6 機械設計7つ道具 [クリックで拡大]

 筆者自身は新入社員時代に簡単な機械加工を経験していますが、やはり、設計者といえども、最低限、フライス加工、旋盤、ボール盤などの知識は必要です。加工を知らない設計者であってはなりません。設計者、特に新入社員向けに、機械加工実習ができれば理想的です。

 図7のような加工では、フライス盤を使用します。ワークは水平方向の向きで固定され、その反対側上面より回転する刃物により切削されます。そのため、加工面を上から見ているような図面が好ましいといえます。

加工を意識した図面(1) 図7 加工を意識した図面(1) [クリックで拡大]

 図8の場合は、旋盤といわれる工作機械で加工します。旋盤は、旋盤のチャックに加工物の丸棒素材(材料)をセットして、丸棒素材を回転させます。回転している素材に対してバイトと呼ばれる刃物を当てることで切削していきます。一般的にチャックは左側、バイトは右側にあります。つまり、図面と加工状態を同じにするという意味では、バイトで加工される側を右に向けた図面が好ましいといえます。

加工を意識した図面(2) 図8 加工を意識した図面(2) [クリックで拡大]

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