「NVIDIA Omniverse」が大規模拡張、BlenderやAdobeとの統合を実施メカ設計ニュース

NVIDIAは、メタバースの基盤となるシミュレーション、コラボレーションプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」の大規模拡張を発表した。BlenderやAdobeとの統合が実施され、数百万人のユーザーに同プラットフォームが開かれる。

» 2021年08月26日 13時00分 公開
[MONOist]

 NVIDIAは2021年8月10日、仮想空間メタバースの基盤となるシミュレーション、コラボレーションプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」の拡張を発表した。BlenderやAdobeとの統合が実施され、さらに数百万人のユーザーに同プラットフォームが開かれる大規模な拡張となる。

 NVIDIA Omniverseでは、デザイナーやアーティストが仮想空間を共有し、さまざまなソフトウェアを用いて、リアルタイムでどこからでも共同作業ができる。2020年12月にオープンベータ版が発表されて以来、5万人以上の個人クリエイターにダウンロードされており、現在はSHoP Architects、South Park、Lockheed Martinなど500社以上が同プラットフォームを評価中だ。

シミュレーション、コラボレーションプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」のイメージ シミュレーション、コラボレーションプラットフォーム「NVIDIA Omniverse」のイメージ(クリックで拡大) 出典:NVIDIA

 今回の拡張で、オープンソースの3DアニメーションツールであるBlenderに、Universal Scene Description(USD)のサポートが追加された。これにより、制作者はOmniverseの制作工程にアクセス可能になる。

 また、AdobeとNVIDIAはSubstance 3Dプラグインの共同開発を進めている。今回、OmniverseがSubstance Materialに対応したことで、OmniverseとSubstance 3Dのユーザーは新しいマテリアル編集機能を利用できるようになる。

 NVIDIA Omniverseが普及している要因として、同プラットフォームの基盤となっているUSDのオープンソースをPixarが公開していることが挙げられる。これにより、3Dシーンを共有して、多様なソフトウェアを利用する大規模なチームが同時に作業できる。さらに、USDの導入、サポート、プラグインの構築、Omniverse Connectorの利用などさまざまな方法でOmniverseへの拡張や接続ができる。

 NVIDIAによると、USDに高度な物理演算機能を導入するためにAppleやPixarと協業し、各種オープンスタンダードを採用して数十億台のデバイスに3Dワークフローを提供している。また、Blenderと協力して、次回リリースとなるBlender 3.0および同ソフトのユーザーにUSDサポートを提供する。

 NVIDIA Omniverseのパートナーエコシステムは今後も拡大していく。AdobeやBlenderをはじめ、Autodesk、Bentley Systems、Clo Virtual Fashion、Epic Games、Esri、Golaem、Graphisoft、Lightmap、Maxon、McNeel&Associates、PTC(Onshape)、Reallusion、Trimble、wrnchなどの企業が提供する主要なアプリケーションを接続する。

 NVIDIA Omniverse Enterpriseは現在、アーリーアクセス中で、今年後半にASUS、BOXX Technologies、Dell Technologies、HP、Lenovo、PNY、SupermicroといったNVIDIAのパートナーネットワークから、サブスクリプションベースで提供する予定だ。

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