EUのワクチンパスポートを支える分散型連携基盤と「トラスト」:海外医療技術トレンド(74)(2/4 ページ)
COVID-19ワクチン接種証明書では、EU域内共通のビジネスプロセスとして、以下の3つのステップを挙げている。
- 保健情報システムにおける、的確な認可機関局向けの医療イベントに関するデータの収集および登録
- COVID-19ワクチン接種証明書の発行
- 検証者(例:国境警備隊、医療専門家)に対する、検証を行うためのCOVID-19保健認証の提示
図2は、ワクチン接種のフロー事例を示している。
標準的なワクチン接種のフローは、以下の9つのステップから構成される。
- 特定:ワクチン提供者によって、市民が特定される
- ワクチン接種:市民がワクチン接種を受ける
- データ登録:ワクチン提供者が、ワクチン接種イベントに関する情報をデータベースに登録する
- 要求の認証:市民が認証発行者からの認証を要求する
- 発行:認証発行者がワクチン接種証明書を発行する(紙/デジタル)
- 保存:市民が証明書を保存する
- 証明の要求:検証者がワクチン接種証明書を市民に求める
- 提示:市民がワクチン接種証明書を検証者に提示する
- 検証:検証者が証明書の有効性や真正性を確認する
このようなフローを前提として、トラストフレームワークは、以下のような設計原則7項目を掲げている。
- 国境を超えた相互運用性
- データ保護(例:データの最小化、目的の限定)
- データセキュリティ/プライバシー・バイ・デザイン/バイ・デフォルト
- 包括性
- 簡潔性と使い勝手
- 展開の柔軟性
- オープンな標準規格
そして、表1に示すような形で、ユーザーの役割を設定している。
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