新型ランドクルーザーは、歴代モデルで培ってきた信頼性や耐久性、悪路走破性を進化させて継承。また、既存モデルで走り込む中で開発者が感じた「運転していて疲れる」という課題を解決し、どんな道でも運転しやすく疲れにくい走りを目指した。車両の全長やホイールベース、対地障害角は従来モデルから変更せず、扱いやすさを継承させた。室内は、着座位置やシートの配置を見直し、居住性や荷室容量と衝突安全性を両立させた。
TNGA(Toyota New Global Architecture)を適用し、フレームから新設計の「GA-F」プラットフォームを採用。最新の溶接技術の活用などにより、従来モデル比で20%の高剛性化を達成、衝突安全性能や静粛性、走りの質を向上させた。ボディーは高張力鋼板の採用を拡大するとともに、ボンネットやルーフ、全てのドアパネルをアルミニウム材にした。これらにより、車両として200kgの軽量化を達成した。パワートレインの搭載位置を車両後方に70mm、下方に28mm移動させることにより、低重心化と前後重量配分の改善も図った。
プラットフォームの刷新に合わせてサスペンションはフロントのハイマウント・ダブルウィッシュボーン式とリアのトレーリングリンク車軸式を新開発した。リアサスペンションはショックアブソーバーの配置を最適化することで乗り心地と操縦安定性を高めた。サスペンションアームの配置変更によって、ブレーキング時の安定した車両姿勢を維持する。タイヤの浮きにくさ(ホイールアーティキュレーション)も高め、悪路走破性を向上させている。
一部グレードの標準装備として、操舵アクチュエーター付きのパワーステアリングも採用した。油圧パワステに操舵アクチュエーターを追加したことで、車線維持支援などに対応するとともに、低速時の取り回し向上、悪路走行時のショック低減などを達成した。また、リニアな制動特性を持たせるため、電子制御ブレーキも採用している。ブレーキペダルの操作量をセンサーで検出し、最適な制動力を油圧ブレーキで創出する。
操縦安定性や操作性を高めるため、旋回加速時に後輪の左右の荷重に応じて駆動力を最適に配分するトルセンLSD(リミテッドスリップデファレンシャル)を採用した他、オフロード向けに6つの走行モードを選択できるマルチテレインセレクト、死角や車両下の路面状況を確認できるマルチテレインモニターなども搭載する。
セキュリティ対策では、指紋認証付きのスタートスイッチをトヨタ自動車として初採用。最新版の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」やバックカメラの洗浄機能など安全装備も充実させた。
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