2つ目の特徴は、IP65の防塵・防水性能によって屋外や半屋外、水滴が飛散する場所やホコリの多い場所などで利用できるとともに、容量1万4800mAhのバッテリーの内蔵によって電源ケーブルなしで運用できることだ。E Inkの電子ペーパーディスプレイ「E Ink Carta 1000」を採用しており、液晶ディスプレイでは視認性が低下する太陽光の下でも鮮明な表示が可能だ。解像度は2160×2880と3K相当で、16階調の白黒表示により、図面の細かい文字や線なども紙のように鮮明に表示できる。
なお、製品の仕様として示されている駆動時間は10時間だが、これはWi-Fi機能を用いて表示内容の遠隔共有を継続して行う場合となる。「電子ペーパーは静的な画面表示であればほぼ電力を消費しないので、かなりの長時間充電せずに利用することが可能だ」(リコーの開発担当者)という。
3つ目は、手書き内容を即デジタル化できる点だ。まず、eWhiteboard 4200の入力や操作は電磁誘導型の専用ペンを用いて行う。表示の拡大縮小も自由自在に行え、手書き入力文字を自動予測するテキスト変換機能も利用できる。建設や製造、医療など各業種で使用する専門用語については、カスタム辞書に登録して即時変換で出力することも可能だ。これら手書き入力を含めたデータは、eWhiteboard 4200が持つ容量16GBのストレージに保存できる。この他、ハードウェアの仕様としてはLinuxベースとなっており、プロセッサは「i.MX 6」を用いている。
クラウドサービスのRICOH eWhiteboard Add-on Serviceを使えば、さらに利便性を高めることもできる。画面4分割による複数ページの一覧表示や、業種ごとに用意されたスタンプ、PCやスマートフォンのWebブラウザからeWhiteboard 4200の画面を閲覧できるビュワー機能、遠隔地にあるeWhiteboard 4200を用いた相互の書き込みの遠隔共有、Box、OneDrive、Dropbox、Google Driveといったクラウドストレージとの連携機能を利用することができる。また、主な用途として想定している、建設現場や工場・プラントにおける工程管理や、病院における患者受け入れ情報やトリアージ情報の共有に用いる表を活用する場合には、「Acrobat Pro」などで作成したPDFフォームとの連携に同クラウドサービスが必要になるという。

画面4分割機能を使って、図面の全体と拡大部の表示を同時に行い、拡大部への書き込みを図面全体に反映するということも可能だ(左)。データ連携機能により、PCやスマートフォンなどのWebブラウザで書き込みの入った状態の図面を確認することもできる(左)。なお、書き込み部の文字色が赤色になっているが、これは「eWhiteboard 4200」側で指定した赤、青、緑などの線色が反映されている(クリックで拡大)なお、eWhiteboard 4200をWi-Fiのアクセスポイントとすることにより、周辺のPCやスマートフォンとデータ連携させることも可能だ。この機能は、クラウドサービスのRICOH eWhiteboard Add-on Serviceがなくても利用できる。
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