Shiftallは、オンラインで開催中の「CES 2021」に出展する新製品「Croqy(クロッキー)」を発表。電子ペーパーと抵抗膜式タッチパネルの組み合わせにより、日常のメモ書きを電子化するネット接続型の電子メモで、メモ表示をスマートフォンアプリや複数のCroqy間で同期できるとともに、電子メモの内容をクラウドに保存できる。
Shiftallは2021年1月12日、東京都内で会見を開き、オンラインで開催中の「CES 2021」(2021年1月11〜14日)に出展する新製品「Croqy(クロッキー)」を発表した。Croqyは、電子ペーパーと抵抗膜式タッチパネルの組み合わせにより紙を使った手書きメモを電子化するネット接続型の電子メモで、メモ表示をスマートフォンアプリや複数のCroqy間で同期できるとともに、電子メモの内容をクラウドに保存できる。電子ペーパーを用いることにより、手書きしたメモ内容を表示し続ける使い方で、1回の充電で2カ月間の連続使用が可能だ。2021年3月末までに発売する計画で、税込み価格は2万円を切る1万9999円に設定した。
同社 代表取締役CEOの岩佐琢磨氏は「当社はパナソニックグループにおける新規B2Cビジネスの急先鋒であり、既存商品の延長は担わず、カニバリゼーションも構わず新しいカテゴリーの製品をローンチすることが使命だ。今回発表するCroqyは、家庭で日常的に利用されている手書きのメモの良さを生かしつつ、スマートフォンのメッセンジャーアプリではできない機能を実現した製品になっている」と語る。
手書きメモは、メモの内容を伝える側が文字を手書きするとともに簡単なイラストや図版を描き加えられるなど暖かみがあることが大きな特徴になる。しかし、「なくす」「書き忘れる」「覚えられない」「返事できない」など機能面で不足がある。その一方で、手書きメモに不足している機能を持つメッセンジャーアプリも、「意外と見落とす」「流れていく」「子供やシニアは使えない」「暖かみがない」「打つのが面倒」などの課題がある。
Croqyは、暖かみのある手書きメモの特徴を生かしつつ、電子化とネット接続によって機能面の不足を解決しつつ、メッセンジャーアプリの課題を解決した新たなコミュニケーションツールに位置付けられる。
ディスプレイは電子ペーパーなので、タッチパネルで書いたメモ内容を表示し続けても一般的な液晶パネルと異なり電力を消費しない。このため、電力消費を気にせず紙の手書きメモと同様にメモ内容を表示し続けられる。1日10分間の書き込み、30分に1回の間隔で表示内容を更新するという設定であれば、1回の充電で2カ月という長期の連続使用時間が可能である。「『ずっと表示』できる電子ペーパーなので、使い勝手は紙のメモと同じだ。スマートフォンを日常的に使わないシニア層や、スマートフォンを持たない子供もCroqyのメモの表示に気付いてもらえるだろう。また、メモを書いてから、右上の送信ボタンをタッチするだけという簡単操作なので、シニア層と子供も難なく使いこなせるのではないか」(岩佐氏)という。
2台のCroqyがあれば、例えば台所から2階の子供部屋などに手書きメモを送信できる。手書きメモの送信にはクラウドを活用しているので、同じ家庭内だけでなく、遠隔地にあるCroqyにも送信できる。「開発当初は想定していなかったが、孫の手書きを遠隔地に住む祖父母の家に送るといった使い方もできる」(岩佐氏)。
Croqyと専用のスマートフォンアプリとの間で手書きメモの送受信も行える。手書きメモでありがちな“書き忘れ”は、外出先から家庭内に置いているCroqyに追加の手書きメモを送ることで解決できる。また、Croqyから返信内容をスマートフォンアプリに送ることで、紙のメモでは不可能な返事も可能になる。さらに、手書きメモの内容をデータ化してクラウドに保存しているので、過去メモを呼び出すことも可能だ。スマートフォンアプリは無料で、過去メモを呼び出すためのクラウドサービスも基本無料となっている。岩佐氏は「プレミアムサービス的なものを後日有償で提供する可能性はあるが、基本機能は無料のままでいく」と述べている。
Croqyの外形寸法は幅130×高さ80×厚さ13.5mmで、重量は160g(付属品の専用タッチペン、斜め置き用スタンドを除く)。無線通信方式は2.4GHz帯のWi-Fi(IEEE 802.11b/g/n)を用いる。外装素材はABSと天然木材を使用している。タッチパネルは抵抗膜式なので爪先などでも手書きは可能だが、表面に傷が付く可能性があるため、磁石で外枠に張り付く付属品の専用タッチペンの使用を推奨している。
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