エネルギー産業用高圧鋼管の加工向け、旋削仕様の大型精密ターニングセンタFAニュース

DMG森精機は、エネルギー産業用高圧鋼管の加工向け大型精密ターニングセンタ「NLX 6000|1000」の旋削仕様を発売した。難削材の重切削加工を可能とする高剛性構造や、自動化対応などに適した機構を備える。

» 2021年07月13日 07時00分 公開
[MONOist]

 DMG森精機は2021年6月17日、エネルギー産業用高圧鋼管の加工向け大型精密ターニングセンタ「NLX 6000|1000」の旋削仕様を発売した。

キャプション 大型精密ターニングセンタ「NLX 6000|1000」 出典:DMG森精機

 NLX 6000|1000は、これまでミーリング仕様とY軸仕様を発売。建設機械や原油掘削機、航空機エンジンの部品など、大型部品の加工機として利用されている。今回発売した旋削仕様は、ミーリング加工を必要としないエネルギー産業用高圧鋼管などの重切削加工ニーズを受けて開発した。

 開発においては、従来の機械構造を見直して、機械剛性や切りくず排出性などを高めた。FEM解析でねじり剛性のシミュレーションを実施し、長時間の難削材の重切削加工を可能とする高剛性構造やねじ切り加工、自動化対応などに適した機構を備える。また、X、Z軸に採用したすべり案内により、振動を抑えて動剛性が向上。Z軸の摺動面断面積は従来機比の約1.5倍となっている。

 大径主軸はベルトレス駆動で、モーターの力が直接ギヤに伝わるため加工能力が高まり、切削除去量が約1.5倍に増加した。また、ベルトに関わる点検や交換といったメンテナンス作業が不要になる。出力45kW、トルク1万2000N・mのパワフルな重切削加工に対応し、オプションで75kWの高出力仕様も選択できる。

 エネルギー産業用高圧鋼管の加工に特化したさまざまな加工オプションがあり、「可変速度ねじ切り」「再ねじ切り」「キー溝ブローチング」から選択可能だ。2021年中には、「チップブレーキング」オプションも追加する。さらに、ロボットやパイプフィーダなど、さまざまな自動化にも対応する。

 同社製品は、部品調達から商品出荷まで、CO2排出量が実質ゼロの環境で生産されている。そのため、NLX 6000|1000にもカーボンニュートラルな体制で生産された商品を表す「GREEN MACHINE」マークが付いている。また、NLX 6000|1000は消費電力量やCO2排出量のモニタリングやアイドリングストップ機能を含む、独自の省エネ機能「GREENmode」を搭載する。

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