オカムラは、ロボットピースピッキングシステム「RightPick」の新モデルを発売した。プロセッサの処理速度を従来モデル比で6倍以上高速化することで、ピック能力が最大20%向上。1時間あたり1200個のピッキングが可能になった。
オカムラは2021年5月27日、ロボットピースピッキングシステム「RightPick(ライトピック)」の新モデルを、同年6月から発売すると発表した。
RightPickは、RightHand Roboticsが開発、製造を手掛ける物流施設向けピッキングロボットシステムで、オカムラが2020年2月より国内で販売している。独自形状のグリッパー、コンピュータビジョン、制御ソフト、ML(機械学習)などを備えており、作業者や物流システム機器と連携して信頼性の高い自動ピッキング作業を可能にする。
新モデルの「RightPickプロセッサモジュール」はデュアルGPUを搭載し、従来モデルの6倍以上の速さでデータを処理する。これにより最大20%高速化し、1時間あたり1200個のピッキングが可能になった。また、夏の高温下でも使用できるように設計されている。
シンプルなユーザーインタフェース「RightPickコンソール」、安全対策を統合できる安全制御ユニット、リアルタイムのモニタリングやアイテムの管理ができる「RightPickコントロールセンター」などにより、安定した稼働をサポートする。
さらに、「RightPick AI(人工知能)ソフトウェア」を搭載し、初めての対象物でもマスター登録なしでピッキングできる。商品の認識から動作計画、ピッキングの実行、学習を自ら繰り返すだけでなく、膨大なピッキングデータの分析や、機械学習モデルの定期的なバージョンアップにより、処理能力と精度を向上していく。
グリッパーは真空吸着カップと3本の指を組み合わせた独自形状で、重さ最大2kg、サイズ10〜300mmまでの対象物をピッキングできる。ロボットアームが速く動いても安定して対象物をつかみ、やわらかく変形する物や異形物にも対応可能だ。
システム構成は、ロボットアームに協働ロボット「UR5e」か「UR10e」を、ビジョンカメラにIntelの「RealSense D415」などを採用している。
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