東芝マテリアルが開発した可視光応答型光触媒「ルネキャット」が、新型コロナウイルスの感染力に対して、一定の抑制効果を持つことが確認された。ウイルスのスパイクタンパク質が減少しており、その結果、感染力が抑えられるという。
東芝は2021年6月17日、可視光応答型光触媒「ルネキャット」が、新型コロナウイルスの感染力に対して、一定の抑制効果を持つことを確認したと発表した。
→特設サイト「新型コロナウイルス 製造業が直面する未曾有の試練」
ルネキャットは、白色蛍光灯や白色LEDなどの室内光により、抗菌、抗ウイルス、消臭効果を発揮する。今回の試験では、照度3000ルクスで6時間、蛍光灯を光照射したところ、ルネキャットを塗布したウイルスの感染価は99.2%以上低下した。ウイルス感染価は細胞感染能力を示すもので、数値が低いほどウイルスの存在が少ない。
また、電子顕微鏡による写真観察や免疫ブロット分析から、ルネキャットがウイルスのスパイクタンパク質を減少させていることが分かった。その結果、感染力を抑える効果が示唆された。
ルネキャットは、東芝のグループ会社である東芝マテリアルが開発。これまでに、鳥インフルエンザウイルスやO157などの抑制を確認している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.