さらに、最近強化しているのが検査工程の自動化である。検査工程は人手による作業が数多く残る領域だとされているが、新たに3次元自動光学検査(AOI)装置を導入し、検査工程の負荷軽減を推進している。従来も2次元AOI装置を活用していたが「2次元の場合、どうしてもリード部品や立体部品などでは把握しきれないところがあった。こうした領域は人手で検査せざるを得ないが、その負荷が非常に大きかった。それを3次元検査が行えるようになったことで大きく軽減できる」と原田氏は述べる。
また、X線CT解析装置などの導入も進めた。「コネクターの下の部分などは、外観では判断できないため、X線CT解析などが必要になるが、従来はこの解析に非常に多くの時間がかかっていた。新型機を導入したことで、これらの時間を大きく低減できるようになった」(原田氏)。
OKIネクステックでは、これらの検査工程の自動化をさらに加速させていく方針だ。最新機器の導入を進める一方で、現在はこれらの検査機器はスペース上の問題で実装ラインから離れた位置に設置しているが「今後はラインに組み込めるように検討を進める」(原田氏)としている。
この他、機能テストを行うファンクションテスターの自作なども進め、人手で行う必要がない領域の自動化を小まめに進めている。「ファンクションテスターは、計測機器類や試験装置などをテスト用キットとして取りまとめ『プラットフォームFCT』として展示会などにも出展し好評を得ている。治具の部分を取り換えるだけでさまざまな機能テストを行うことが可能だ」と原田氏は語っている。
また、少量多品種だからこその独自のノウハウもあるという。その1つがポイントDIPである。大量生産であれば、一括ではんだ付けを行う方が効率的だが、少量多品種生産の場合は、保護シールの準備などの関連作業を考えると、1点ずつポイントではんだ付けを行うポイントDIP装置を活用する方が効率がよい場合がある。そのため、用途に応じてポイントDIPを活用することで総合的なスループット向上につなげているという。「1つ1つの作業を見ると、ポイントDIPは遅いように見えるかもしれないが、トータルでの効率を考えると少量多品種生産の場合は、そうでもない場合が多い。活用を広げていく」と原田氏は述べている。
今後は、さらなる自動化領域の拡大に向け、双腕型ロボットなどの活用も進めていく方針だ。既にさまざまな実証を進めており、「金属の端子曲げ」「CMOSセンサーのテープ貼付」という作業をロボットに担わせているという。「協働ロボットには期待している。さらなる活用領域の拡大に向けさまざまな検証を進めている」と原田氏は述べている。
製造現場を高度化、産業機器向けAtom x6000E搭載CPUボード開発サービス開始
技術者が行けない! タイでの新製品量産を遠隔立ち上げしたOKIデータの挑戦
3年間で累積480時間を削減へ、少量多品種工場でいかにスマート化を進めたか
スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」かCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク