モビリティとIoTセンシングを新たな成長のカギに、ソニーの経営戦略製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

ソニーグループは2021年5月26日、経営方針発表会を開催。ソニーグループと直接つながる人を現在の1億6000万人から10億人に拡大する他、「モビリティ」と「IoTセンシング」領域の技術開発を強化し、新たな価値創出を目指す方針を示した。

» 2021年05月27日 11時45分 公開
[三島一孝MONOist]

 ソニーグループは2021年5月26日、経営方針発表会を開催。ソニーグループと直接つながる人を現在の1億6000万人から10億人に拡大する他、「モビリティ」と「IoTセンシング」領域の技術開発を強化し、新たな価値創出を目指す方針を示した。

「感動」を軸に体制を安定させた9年

photo ソニーグループ 会長兼CEOの吉田憲一郎氏 出典:ソニーグループ

 経営説明会に登壇したソニーグループ 会長兼CEOの吉田憲一郎氏は、前任の平井一夫氏から一貫して進めてきた「感動」を軸とした9年間の成果について振り返り、「ブランデッドハードウェア事業の立て直し、収益力強化」「デバイス領域におけるCMOSイメージセンサーへの集中」「コンテンツIP、Direct-to−Consumer(DTC)への投資」の3つを基軸として成果につなげてきたことを訴えた。

 当時は赤字体質だったエレクトロニクス事業において度重なる構造改革を進め、安定的に黒字が生み出せる体制へと変革を進めた。また、収益の柱として大きく成長したのがCMOSイメージセンサーだ。「過去9年間で最大の投資を実行した第3次中期計画(2018〜2020年度)においても、この事業のフリーキャッシュフローはプラスとなっている」(吉田氏)。現在の主要市場はモバイル向けイメージングセンサーとなっているが、今後は車載やIoT向けのセンシングを成長領域として描く。「3年前から『イメージングだけでなく、センシングでも世界No.1となる』という長期目標を掲げている」と吉田氏は語っている。

photo CMOSイメージセンサーの投資実績(クリックで拡大)出典:ソニーグループ

 また、コンテンツIPおよびDTCの強化についても大きな成果を残した。特に大きな成果となっているのが、PlayStation Networkによるネットワークサービスの拡大である。PlayStation 4(PS4)発売時の2013年と比べ、2020年度(2021年3月期)のネットワーク売上高は約10倍となり、PlayStation Plusの会員数も順調に拡大している。

photo PlayStation Plusの会員数推移(クリックで拡大)出典:ソニーグループ

 これらの成果で財務面でも安定化を実現。前中期計画までKPI(重要経営指標)としてきた連結営業キャッシュフローは、第1次中期計画(2012〜2014年度)で6011億円だったが、第3次中期計画では2兆6385億円まで拡大し、グループ全体のキャッシュフロー創出力が大きく向上した。戦略投資も継続的に実施してきた。「IP/DTC、テクノロジー、自己株式取得という優先順位で戦略投資を行ってきた。第4次中期計画(2021〜2023年度)では3.1兆円の連結営業キャッシュフローをベースに2兆円以上の戦略投資を進める」(吉田氏)。

photo 戦略投資の内容(クリックで拡大)出典:ソニーグループ
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