IoTを活用した冷凍設備の運用、保全効率化ソリューションを実用化 : 製造IT導入事例
日立製作所とニチレイロジグループ本社は、IoTを活用した冷凍設備の運用、保全効率化ソリューションを実用化した。ニチレイロジグループ本社の冷凍倉庫へ順次導入している。
日立製作所(日立)とニチレイロジグループ本社は2021年4月22日、IoT(モノのインターネット)を活用した冷凍設備の運用、保全効率化ソリューションを実用化したと発表した。
同ソリューションは、日立グループの運転や音、画像データの解析技術と、故障予兆診断技術を組み合わせたものだ。日立産機システムのIoT産業用コントローラー「HX」シリーズや、日立システムズのソリューション「CYDEEN」のメーター自動読み取り技術、フィールド作業支援サービスなどを活用し、運転状況や稼働音、メーター数値などのフィールドデータを収集する。
収集したデータは、日立の統合エネルギー、設備マネジメントサービス「EMilia」をベースとするクラウドサービスに集積し、運用効率化診断を行う。また、日立グローバルライフソリューションズの遠隔監視、予兆診断ソリューション「exiida」によって故障予兆診断をする。
冷凍設備の運用、保全効率化ソリューションの概念図(クリックで拡大) 出典:日立製作所
両社は2017年に同ソリューションの検討を開始。2018年8月〜2020年4月にニチレイロジグループ本社の物流センター内で共同実証した結果、年間の電力消費量を約12%、メンテナンスコストを約40%、トータルで約20%のコストを削減できることを確認した。
ニチレイロジグループ本社は、2021年4月から国内の冷凍倉庫へ同ソリューションの導入を順次進めている。また、日立は、同社のデジタルソリューション群「Lumada」の冷凍倉庫向けソリューションとして拡販していく。
生産計画立案の「なるべく」や「できるだけ」をAIで自動化、ニチレイが日立と協創
ニチレイフーズと日立製作所は、ニチレイフーズの国内工場向けに、日立製作所のAI技術を活用した生産計画と要員計画の自動立案システムを開発したと発表。ニチレイフーズのモデル工場となる4工場で検証を進め、2020年1月から順次本格運用を開始している。今後は2020年度内をめどにニチレイフーズの11の国内工場全てに導入する方針だ。
冷凍機の故障を予知、予防保全でメンテナンスコストを25%削減
ニチレイロジグループ本社と日立製作所は2018年8月28日、IoT技術を活用し、冷凍設備の故障予兆診断と運転、メンテナンスの効率化に向けた共同実証を2018年9月から開始することを発表した。
製造業がDXを進める前に考えるべき前提条件と3つの戦略
製造業にとっても重要になる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に注目が集まっている。本連載では、このDXに製造業がどのように取り組めばよいか、その戦略について分かりやすく紹介する。第1回の今回は、DXを進める中で必要になる前提条件と3つの戦略の概要について紹介する。
いまさら聞けない「製造業のDX」
デジタル技術の進歩により現在大きな注目を集めている「DX」。このDXがどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。
製造業が「DX」を推進するための3つのステージ、そのポイントとは?
製造業のデジタル変革(DX)への取り組みが広がりを見せる中、実際に成果を生み出している企業は一部だ。日本の製造業がDXに取り組む中での課題は何なのだろうか。製造業のDXに幅広く携わり、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)のエバンジェリストを務める他2019年12月には著書「デジタルファースト・ソサエティ」を出版した東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター 参事の福本勲氏に話を聞いた。
データを世界の共通言語に、リアルタイムで製品収益を見える化する安川電機のDX
「データを世界の共通言語に」をスローガンとし「YDX(YASKAWA digital transformation)」として独自のデジタル変革(DX)を進めているのが、産業用ロボットやモーターなどメカトロニクスの大手企業である安川電機である。安川電機 代表取締役社長の小笠原浩氏に「YDX」の狙いについて話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.