それでは、SOLIDWORKS Flow Simulationを用いてメッシュ作成を行っていきます。
「ベースメッシュ」とは、基本となるメッシュ分割のことです。細かな形状は無視して、直交格子により解析対象をメッシュ分割します。構造解析のときにも解説しましたが、“メッシュの精度は解析結果の精度に大きく影響します”。つまり、ここで重要になるのがメッシュの「アスペクト比」です。アスペクト比が大きくなればなるほど、計算の精度は悪くなっていきます。そのため、アスペクト比は最大でも10以内に納めるようにします。ちなみに、アスペクト比は直接制御できないので、メッシュサイズを調整することで最適なメッシュを作成(アスペクト比を制御)します。
細かな形状を認識させるには、ベースメッシュに対してメッシュの再分割(メッシュリファイン)を行う必要があります。メッシュリファインを行うと、図4に示したようにベースメッシュ内がさらに細かく分割されます。ただし、メッシュリファインはレベルを1つ上げるごとにメッシュが細かくなっていくため、その分計算時間が長くなります。
SOLIDWORKS Flow Simulationでは、メッシュリファインを以下のように設定できます。解析の内容に応じて、解析結果の精度が上がるリファインをいろいろと試してみてください。
現象の変化が激しいことが予想される部分については「ローカルメッシュ」により、細かなメッシュ分割が可能です。図5は任意のエリアを指定して、ローカルメッシュを作成した例となります。
SOLIDWORKS Flow Simulationは、メッシュの設定を自動/手動(マニュアル)で行うことが可能です。筆者は実務の中で、その状況に応じて自動/手動を使い分けてメッシュ作成を行っていますが、メッシュ作成には以下のような(基本的な)注意点があります。
流体解析のメッシュ作成における注意点【基本編】
以上、流体解析におけるメッシュ作成について、基本的な内容を取り上げました。これらに注意しながら、前回のモデルを例にメッシュ作成(図6)、そして解析を実行していきます。
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