浴槽浴とシャワー浴に次ぐ第3の入浴法「KINUAMI U」、LIXILがクラファンで提案イノベーションのレシピ(1/2 ページ)

LIXILが泡シャワー「KINUAMI U」を開発。2019年3月に発表した「KINUAMI」をベースに、柔らかく温かい“絹泡”による新たな入浴体験を提供する泡シャワーというコンセプトで、外付けだったコンプレッサーを内蔵するなど機能性を向上し、日々の入浴で利用しやすいように専用ボディーソープの価格を抑えたことが特徴となる。

» 2021年03月30日 11時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 LIXILは2021年3月30日、泡シャワー「KINUAMI U(絹浴み[結])」を開発したと発表した。2年前に発表した「KINUAMI」をベースに、柔らかく温かい“絹泡”による新たな入浴体験を提供する泡シャワーというコンセプトで、外付けだったコンプレッサーを内蔵するとともに専用ボディーソープの残量を示すインジケーターなどを追加するなど機能性を向上し、日々の入浴で利用しやすいように専用ボディーソープの価格を抑えたことが特徴となる。同日から、同社子会社であるNITTO CERAを実行主としてMakuakeを活用したクラウドファンディングを開始しており、支援プランの金額は4万8860〜5万5840円(税込み、送料込み)。目標金額は100万円となっている。なお、KINUAMI Uの通常販売予定価格は7万6780円(税込み)である。

「KINUAMI U」の利用イメージ 「KINUAMI U」の利用イメージ(クリックで拡大) 出典:LIXIL
「KINUAMI U」の設置イメージ 「KINUAMI U」の設置イメージ。裏面のマグネットで浴室壁面に本体を貼り付けて、浴室の水栓金具、シャワーヘッドを接続する後付けタイプの製品だ(クリックで拡大) 出典:LIXIL
「KINUAMI U」による泡シャワー。手が一気に“絹泡”に包まれていく(クリックで再生)

 KINUAMI UのベースとなるKINUAMIは、NITTO CERAが、消火器や消火設備などの製造販売を手掛けるモリタ宮田工業と共同開発した製品だ。独自開発の泡生成技術によって発泡倍率を11倍に制御することで、柔らかく密度の高い「KINUAMIの泡」をシャワーヘッドから放射できることが最大の特徴。KINUAMI Uと同様にMakuakeでのクラウドファンディングを実施し目標金額の430万円をクリアしたが、このときの主な用途は洗身後の肌をトリートメントする“美容”だった。

LIXILの平田知明輝氏 LIXILの平田知明輝氏(クリックで拡大)

 一方、今回のKINUAMI Uでは“絹泡”による新たな入浴体験を提案している。LIXIL WATER TECHNOLOGY JAPAN 新規事業推進部 主査の平田知明輝氏は「コロナ禍では在宅の時間が増えており、自宅で過ごす時間を充実させる製品が求められている。そこで、シャワー浴、浴槽浴に次ぐ、第3の新しい入浴方法として、温かいお湯で作る“絹泡”で肌を優しく洗うKINUAMI Uを開発した。美容に限定せず、より多くの人に利用していただければ」と語る。

 このKINUAMI Uの新たな入浴体験に向けて開発したのが専用ボディーソープである。KINUAMIの泡シャワーでは、美容向けということもあり、純国産天然シルクから抽出した保湿成分のフィブロインを配合した専用トリートメント剤を使用していた。1カ月で使用するトリートメント剤の費用も5000円と高価だった。

 これに対してKINUAMI Uの専用ボディーソープは、KINUAMIのユーザーから好評だった保湿効果を重視しつつ、日々の入浴で利用しやすいように低価格化に取り組んだ。保湿成分として、トリプルヒアルロン酸やアロエエキス、モモの葉エキスを配合して高い保湿効果を維持しつつ、1カ月で使用する専用ボディーソープの費用を900円に抑えた。「毎日の入浴で使うものとなると、1カ月で1000円以下にしなければ手が出ないと考えた」(平田氏)という。なお、KINUAMIの専用トリートメント剤、KINUAMI Uの専用ボディーソープとも、開発には熊野油脂が協力した。

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