AIを用いた手術ナビゲーションシステムの開発に向け、共同研究を開始:医療機器ニュース
ヒューマノーム研究所と東京医科歯科大学は、「人工知能技術を用いた手術ナビゲーションシステムの研究」に関する共同研究契約を締結した。これに先立ち、胃がんに対する低侵襲性手術のナビゲーション用モデルを開発した。
ヒューマノーム研究所は2021年3月11日、東京医科歯科大学と、「人工知能技術を用いた手術ナビゲーションシステムの研究」に関する共同研究契約を締結したと発表した。
今回の提携により、AIを活用した「外科医の手技習得育成システム整備」と「術中の医療ミスを避けるサポートシステム」の開発に向けた共同研究を開始。胃がんに対する腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術における膵周囲切離ラインの予測を実施し、AI(人工知能)が術者の補助となる可能性を示す結果を得た。
ロボット支援下手術のイメージ図(クリックで拡大) 出典:ヒューマノーム研究所
また、共同研究に先立ち、ヒューマノーム研究所が開発した物体検知モデル開発システム「Humanone Eyes」の特別仕様版を東京医科歯科大学に提供している。同システムを使用し、胃がんに対するロボット支援手術、腹腔鏡下手術のナビゲーション用モデルを開発している。
研究により示唆される手術ナビゲーションの結果例(医療施設、医療者、患者の掲載許諾取得済み)(クリックで拡大) 出典:ヒューマノーム研究所
今後、AIモデルの改善を実施し、現場の手術システムへの応用を進める。それにより、安全性が高く患者の身体的負担が少ない腹腔鏡下、ロボット支援手術の普及を目指すとしている。
- ARを用いて安全に手術できる次世代型関節鏡システムを開発
名古屋大学は、ARを用いて、神経の位置情報を確認しながら安全に肘関節鏡手術をできる技術を開発した。ヒト肘関節の実物大モデルとサルの肘関節を用いて実証実験したところ、リアルタイムでモニター上に重畳表示できることを確認した。
- 治療空間自体が一体化した情報統合手術室の販売を開始
日立製作所とOPExPARKは、OPExPARKの次世代情報融合プラットフォーム「OPeLiNK」の販売に合意し、日立は情報統合手術室「METIS」の販売を開始した。生体情報など手術時におけるさまざまな情報を一元管理できる。
- 執刀医の負担を軽減する、手術支援ロボットシステム用の椅子を開発
オカムラは、手術支援ロボットシステム「hinotoriサージカルロボットシステム」用に開発したチェア「kumpel」を発表した。支援ロボットを用いた手術において、執刀医の手術姿勢をサポートし、疲労を軽減する。
- インテリジェント手術室向け遠隔モニタリングサービスの提供を開始
バルコは、インテリジェント手術室向け非圧縮IPビデオソリューション「Nexxis」の新サービス「NexxisCare」の提供を開始した。Nexxisで統合したシステムの状態をオンラインで監視できる。
- 国産の手術支援ロボットが製造販売承認を取得
メディカロイドの手術支援ロボットシステム「hinotoriサージカルロボットシステム」が、国産として初めて製造販売承認を取得した。同システムは、執刀医や助手の医師の負担を減らし、スムーズで低侵襲な外科手術を支援する。
- 商用5Gを用いた遠隔手術支援実験を開始
東京女子医科大学とNTTドコモは、商用第5世代移動通信方式を活用した遠隔手術支援システムと移動型スマート治療室「SCOT」を用いた実証実験を2020年10月〜2021年3月に実施する。
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