ユーグレナは2021年3月15日、同社が微細藻類の一種である「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」を用いて生産したバイオジェット燃料について、国際規格への適合が認められたと発表。航空機へのバイオジェット燃料供給体制の確立に向けて前進した。
ユーグレナは2021年3月15日、同社が微細藻類の一種である「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」を用いて生産したバイオジェット燃料について、国際規格への適合が外部検査機関によって認められたと発表した。航空機へのバイオジェット燃料供給体制の確立に向けて前進したことになる。燃料の開発は石油大手シェブロンとApplied Research Associates(ARA)と共同で行った。
ユーグレナは陸海空路を移動するさまざまなモビリティへのバイオ燃料導入を目標に、2018年に「国内初」(同社)となるバイオ燃料製造実証プラントを稼働させた。2020年にはバイオディーゼル燃料を製造、供給して、バスや配送車、フェリー、タグボートなどへの導入を行った。
バイオジェット燃料はバイオディーゼル燃料と同様に、ミドリムシ由来の油脂と使用済み食用油などを使用して、バイオ燃料製造実証プラントで製造する。製造過程ではシェブロンとARAが共同開発した「バイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術(BICプロセス)」を採用している。
バイオ燃料製造実証プラントに導入したBICプロセスは、標準化団体ASTMインターナショナルが定めた、微細藻類などを原料とした純バイオジェット燃料に対する国際規格「ASTM D7566 Annex6規格」を既に取得済みである。これに加えて今回、同プロセスで製造したバイオジェット燃料が外部検査機関によって、実際に認証に適合していると認められた。ユーグレナによれば、BICプロセスの一気通貫したシステムでバイオジェット燃料を製造したのは「世界初」(同社)という。
ユーグレナの担当者によると、バイオジェット燃料の供給は2021年5月以降になる見通し。燃料の量産化を担う商業プラントの完成は2025年頃を目指す。実証プラントでの生産分は1l(リットル)当たり1万円になる見通しだが、商業プラントでの量産化後は「一般的なジェット燃料の市場価格に近付けるようにする」(同担当者)という。今後はバイオジェット燃料供給企業や関連する物流企業との調整を進める。
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