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複雑な電磁界システムの完全連成解析を支援する「Ansys HFSS Mesh Fusion」CAEニュース

Ansysは、大規模な設計のメッシュ生成と解析が行え、開発コスト削減と次世代製品開発の促進に貢献する「Ansys HFSS Mesh Fusion」を発表した。デザインや忠実度を損なうことなく、複雑な電磁界システムの完全連成シミュレーションを高速に実行できる。

» 2021年02月02日 13時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 Ansys(アンシス)は2021年1月21日(米国時間)、これまで以上に大規模な設計のメッシュ生成と解析が行え、開発コスト削減と次世代製品開発の促進に貢献する「Ansys HFSS Mesh Fusion」(以下、HFSS Mesh Fusion)を発表した。

 エンジニアは、HFSS Mesh Fusionを使用することで、デザインや忠実度を損なうことなく、複雑な電磁界(EM:ElectroMagnetic)システムの完全連成シミュレーションを高速に実行できるようになる。

 HFSS Mesh Fusionは「Ansys HFSS 2021 R1」で提供され、集積回路(IC)、パッケージング、コネクター、プリント基板、アンテナ、プラットフォームを組み合わせて、単一のHFSS解析ソフトウェア上で電磁界の相互作用の予測が行える。

コネクターと基板間のSI(Signal Integrity)解析 コネクターと基板間のSI(Signal Integrity)解析 ※出典:Ansys [クリックで拡大]

 HFSS Mesh Fusionは、コンポーネントレベルで最適なメッシュ生成手法を、コアやクラスタ間、あるいは「Ansys Cloud」(クラウド上のHPC)内で並列化して適用することが可能で、HFSSソルバーによって、完全連成されたフルウエーブ電磁界マトリクスを抽出できる。これにより、従来よりもはるかに高度で複雑な設計の解析が可能となり、効率的に製品開発を進めることができるという。

 次世代製品の開発において、イノベーションを創出するためには、より小さなフォームファクターで機能性を高めつつ、消費電力の維持や低減が求められる。そのため、設計の複雑さが増し、エンジニアはコンポーネント間やシステム全体における複雑な相互作用を解析しなければならない。

 HFSS Mesh Fusionは、産業用IoT(IIoT)や5G通信、AI(人工知能)チップ、自動運転向け車載機器などに代表される、近年、設計の複雑さが増す次世代製品開発の課題を解消するもので、設計サイクルやコストを縮小し、高付加価値な製品の開発に貢献できるとする。

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