GITAIは、単腕型作業ロボット「S1」による宇宙組み立て作業の地上実証に成功した。ドライバーを使ってフレームにパネルを組み付けるなど、S1が複雑な作業を自律して実行できることが確認できた。2021年にはISSで技術実証を実施する予定だ。
GITAIは2020年12月15日、単腕型作業ロボット「S1」による宇宙組み立て作業(In-Space Assembly)の地上実証に成功したと発表した。
S1は、宇宙ステーションの船内外や月面基地開発での作業遂行のために開発されたロボットアームだ。これまで、スイッチ類の操作やケーブルの挿抜などの自律作業に成功している。
今回、同社が公開した宇宙組み立ての模擬作業の動画では、S1が柱状のパーツから架台を立ち上げ、パネル状のパーツをドライバーで組み付ける様子が見られる。模擬作業は太陽光発電システムやアンテナ、望遠鏡のミラーなど、広い面積の構造物を組み立てる作業を想定したもので、ロボットアームの汎用性と多能性を確認できた。
S1の宇宙での技術実証は、2021年に国際宇宙ステーション(ISS)で実施する予定だ。技術実証の場となるNanoracksの商用モジュール「Bishop」は既にISSに到着しており、打ち上げる機体の製造や安全面での審査も進んでいるという。
GITAIは、宇宙における作業コストを100分の1にするというビジョンを掲げており、今後も地球低軌道船外や月面での宇宙組み立て作業を想定した実証を進めていくとしている。
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