1月1日付の新聞の全面広告は、「550万人」にどう届いたのだろうオートモーティブメルマガ 編集後記

あなたもきっと、550万人のうちのひとり。

» 2021年01月06日 12時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 この記事は、2021年1月6日発行の「オートモーティブ メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


1月1日付の新聞の全面広告は、「550万人」にどう届いたのだろう

 読者のみなさま、本年もどうぞよろしくお願い致します。年末年始はいかがお過ごしでしたか? 仕事初めの時期はかなりバラバラのようで、小欄を書いている1月5日の時点では、まだ仕事初めじゃないという方も何人か見かけました。

 私は去年までは年明けすぐにラスベガスに出発していたので、今年はプレッシャーも何もなく、久しぶりにゆるゆるとした年末年始でした。10日間、寝て食べてテレビを見て、宮部みゆきの小説をひたすら読み返していました。宮部みゆきはいいですね。私が生まれたころの時代を切り取った小説はいま読んでも新鮮で、月並みですが時代によって変わらないものを見抜く人なのだなとしみじみしました。

 そういえば、久しぶりに紙の新聞も読みました。新聞社の1月1日付の新聞は、1年で1番気合が入った紙面です。広義では新聞社も同業者ですので、どんな紙面なのか、どんな切り口の特集が掲載されているかと分析するのは楽しかったです。

 元日付の新聞は、メッセージ性が高いビジュアル重視の企業広告が多いのも特徴ですね。全面や見開きなど大きなスペースを使った会社はどこだろう、と気になってしまいます。Webメディアに何年もおりますと、紙のメディアは読者が見たのか見てないのかが分からないし、追加の情報に導く動線が難しいのではないかと感じます。「続きはWebサイトで」と紙の新聞に書いてあったとして、そのままスマートフォンやPCで調べてもらうにはハードルがありますよね。

 そうは言っても、簡潔な短い文章やきれいな写真で1年の抱負を伝える企業広告は、紙面をめくる手を止めさせる引力があると思います。コピーライターと編集記者は全く違う仕事ですが、文章を書くという共通点もがあるので上手な企業広告には嫉妬の気持ちも少し湧きます。

 ご覧になった方も多いかもしれませんが、日本自動車工業会と日本自動車部品工業会、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会、日本自動車販売協会連合会による「クルマを走らせる550万人」という企業広告は目を引きましたね。詳細は割愛しますが、「自動車メーカーだけでなく、部品製造、メンテナンス、ガソリンスタンド、物流に関わる全ての人=550万人によって移動が支えられている。移動がみんなを元気にするのだから、550万人が1つのチームとなって動いていこう」というメッセージが新聞広告に掲載されました。

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