他の自動車メーカーも、自動運転車の市販の準備を進めている。ドイツでは、レベル3の自動運転を使用する上で必要な欧州での承認手続きが2021年半ばに完了する見込みだ。メルセデスベンツは、フラグシップセダン「Sクラス」の新モデルを2020年12月から発売するが、2021年後半からレベル3の自動運転システム「DRIVE PILOT」がドイツの高速道路において利用可能になると発表。
DRIVE PILOTは渋滞中など限られた条件下において利用可能で、作動中はインターネットの閲覧やメール作成などで周辺監視から目を離すことができる。また、新型Sクラスは高速道路での自動運転だけでなく、コネクテッドサービスと組み合わせることにより、専用のインフラを備えた駐車場で無人駐車機能も利用可能だ。
アウディはレベル3の自動運転に対応した設計で開発した「A8」を2017年に発表した。しかし、当時はどの地域でもレベル3の自動運転システムを搭載する認可が下りておらず、実質的にはレベル2の自動運転=ADAS(先進運転支援システム)が使用可能なモデルとして販売されている。2021年後半に向けて、アウディもメルセデスベンツ同様に準備を進めるとみられる。
日系自動車メーカーでは、トヨタ自動車がレクサスブランドのフラグシップセダン「LS」の新モデルを2020年初冬に発売する。ただ、自動運転のレベルについては言及しておらず、「高速道路などの自動車専用道路での運転において、ドライバー監視のもと、実際の交通状況に応じて車載システムが適切に認知、判断、操作を支援し、車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを実現」(トヨタのプレスリリース)という表現にとどめている。
新型LSでは車両の前後左右に合計4つのLiDAR(ライダー、Light Detection and Ranging)を搭載するため、従来以上に高度な運転支援技術を採用する可能性が高い。
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