組込み/エッジ コンピューティング展【春】 IoT/5Gソリューション展【春】 特集

KDDIが日本導入を支援するフルHDスマートグラス、5G対応スマホに接続して動画再生IoT&5Gソリューション展

KDDIは「第6回 IoT&5Gソリューション展 秋」で、中国発のスタートアップnreal(エンリアル)が開発してKDDIが国内展開を支援するAR(拡張現実)スマートグラス「NrealLight」の展示などを行った。展示では、NrealLightとUSB接続した5Gスマートフォンを用いて、動画コンテンツをグラス上で再生するデモンストレーションを実施した。

» 2020年11月10日 14時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 KDDIは「第6回 IoT&5Gソリューション展 秋」(2020年10月28〜30日、幕張メッセ)において、AR(拡張現実)スマートグラス「NrealLight」の展示などを行った。NrealLightは中国発のスタートアップnreal(エンリアル)が開発したスマートグラスで、KDDIが日本国内での展開を支援している。展示では、NrealLightとUSB接続した5Gスマートフォンを用いて、動画コンテンツをグラス上で再生するデモンストレーションを実施した。

NrealLightのグラス本体部分[クリックして拡大]

韓国では2020年8月に約7万円で販売開始

 NrealLightはディスプレイ(レンズ)を通じて、現実空間に仮想の各種操作アイコンや案内などを重ね合わせて表示するARスマートグラスである。デモ展示ではグラスを掛けると目の前に幾つかのマーカーが表示される。それらのマーカーの中から目当てのものを、有線接続したスマートフォンをリモコンに見立てて選択する。すると、選んだマーカーに応じて動画コンテンツがレンズ上で再生される仕組みだ。動画コンテンツはブースに置かれたiPad上に保存されており、再生時にはスマートフォンとiPad間で通信してデータを送る。

 NrealLightの本体重量は88g。ディスプレイ解像度はフルHD(1920×1080)で、レンズ周辺に搭載したフロントカメラの解像度は1280×720。フロントカメラは周辺の物体や空間の特徴点を把握するために用いる。視野角(FOV)は52度である。内側にスピーカーが搭載されており、ARコンテンツに応じた音声も聞ける。

 nrealはスマートグラス本体にはCPUやバッテリーを搭載していない。「グラスにCPUやバッテリーを直接搭載することは難しい。将来的に技術革新が起これば別だが、現状では熱が発生して高温になりかねないため、スマートフォンの処理性能とバッテリーをスマートグラスで利用した」(KDDIの担当者)という理由がある。デモ展示では、KDDIが販売する5G対応スマートフォンとNrealLightをUSB接続して、スマートフォン側のCPUとバッテリーで動画再生機能を駆動させていた。

NrealLightは5G対応のスマートフォンとUSB接続して使用する[クリックして拡大]

 なお、5G対応スマートフォンを使用した理由について、同担当者は「あくまで搭載するCPUの処理能力を鑑みて選定しただけで、通信面の理由から選んだわけではない。ただ、今回の展示ではiPadとスマートフォン間で通信を行っている。この通信を高速化する上で、5G通信は貢献している」と説明した。

 NrealLightは、韓国ではLGグループ傘下のLG U+から2020年8月に発売されている。国内一般向けの販売は未定だが、近日中に何らかの発表を行う予定だとしている。国内販売時の価格についても現段階では確定していないが、参考価格として韓国では約7万円で発売しているという。

NrealLight試着のために列を作る参加者。担当者によると今回の展示ブースでは一番人気の展示物だったという[クリックして拡大]

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