さて、今日はプジョーのコンパクトハッチ、新型「208」を取り上げる。1980年代に世界的ヒット作になった「205」、そして日本でも大ヒットした「206」は、フランス車のBセグメントを代表するクルマになった。その後「207」「208」と6〜8年ほどのインターバルでフルモデルチェンジを行い、2019年に最新モデルとなる新型208が発表された。車名は「209」ではなく「208」のまま。今後はこれで定まるのだろうか?
還暦を過ぎたあたりから、コンパクトなクルマに興味を持つようになった。現在の愛車も、BMW「118d」とルノー「トウィンゴ」というコンパクトハッチ2台である。さて、今日はプジョーのコンパクトハッチ、新型「208」を取り上げる。
1980年代に世界的ヒット作になった「205」、そして日本でも大ヒットした「206」は、フランス車のBセグメントを代表するクルマになった。その後「207」「208」と6〜8年ほどのインターバルでフルモデルチェンジを行い、2019年に最新モデルとなる新型208が発表された。車名は「209」ではなく「208」のまま。今後はこれで定まるのだろうか?
→連載「車・バイク大好きものづくりコンサルタントの試乗レポート」バックナンバー
鮮やかなブルーのボディーカラーで、トップグレードの「GT-Line」に試乗した。エクステリアは最近のプジョーのコンセプト通りの、ライオンの牙のようなLEDデイライトに、ライオンの爪痕を模したといわれるテールライトが目を引く。
ボディーラインはフロントからサイド、リアに至るまで、ややもすると煩雑な印象を与えてしまうような複雑な曲線で構成されている。しかしそこはヨーロッパデザインで、素直に「カッコイイ」と思わせる。筆者が特に気に入ったのが丸みを帯びたリアフェンダー周りと、リアハッチ下部の逆Rだ。ボディーサイドに明確なキャラクターラインが入り、しかもそれが嫌みを感じさせない素晴らしいデザインだ。
ドアを開け、いかにも座り心地の良さそうなシートに身を任せると、200万円代中盤の価格帯の輸入車とは思えないクオリティーを感じた。先代モデルから採用された小さなステアリングホイール越しに見えるメーターはフル液晶で、しかも奥行き感のあるものになっている。プジョーが「3D-iコックピット」と称するこのメーターは、フロントウィンドウに投影するタイプのヘッドアップディスプレイよりは視線移動が若干大きいものの、見やすさでは有利だ。
インパネ中央のエアコン吹き出し口の下方には7つの鍵盤型スイッチが並ぶ。ミニで伝統的に採用されているトグルスイッチと同様に使いやすそうだし、中央に赤いハザードランプスイッチが配置されているのも好感が持てる。ドアトリムにはアンビエントライトが配され、高級感を醸し出している。
リアシートやラゲッジスペースはお世辞にも広いとはいえないが、4人で快適に長距離走行することを求める人はそもそもBセグメントのクルマを選ばないだろう。1〜2人乗車であれば後席をラゲッジ代わりに使えるし、いざとなったら6:4に分割できる後席のシートバックを倒して広大なラゲッジスペースを確保すればよい。
クルマには「走る喜び」と「所有する喜び」があると筆者は考えている。新型208のエクステリアとインテリアは「所有する歓び」を十分に満たしてくれるクラスレスのクオリティーを持っているといえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.