アルプスアルパインは2020年10月22日、車両の位置測定用アプリケーションとそれを搭載した携帯型デバイス、独自開発の位置管理コンソールをパッケージ化した「位置情報監視システム」を販売開始すると発表。車両の返却遅延などに悩むレンタカー事業者に向けて販売する。
アルプスアルパインは2020年10月22日、車両の位置測定用アプリケーションとそれを搭載した携帯型デバイス、独自開発の位置管理コンソールをパッケージ化した「位置情報監視システム」を販売開始すると発表した。主要顧客はレンタカー事業者を想定する。販売は、グループ子会社で車載音響機器販売などを手掛けるアルプスマーケティングと連携して行う。
近年、国内では自動車を所有しない世帯が若年層を中心に増えており、また新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で公共交通機関の利用を避ける人も増回している。これらの社会的事情を背景に、レンタカー市場の規模は拡大傾向にある。一方で、利用者数の増加と共にレンタカー利用者による車両返却の遅れや、車両の未返却といった問題が多発しており、レンタカー事業者にとって喫緊の課題となっている。
これらを解決するシステムとして、アルプスアルパインは位置情報監視システムを開発した。同システムを使うことで、レンタカー事業者は貸し出し済みレンタカーの現在位置をリアルタイムに確認し、かつ一元的に管理できるようになる。
事業者はレンタカーを貸し出す際に、車両の位置測定アプリケーションを搭載した携帯型デバイスを利用者に渡す。すると、位置管理コンソールの地図上で貸し出し済み車両の現在位置がリアルタイムに表示されるようになる。また、コンソール上で返却時間をあらかじめ設定しておくと、返却時間の少し前と時間超過時にその旨をリマインドするポップアップも表示される。これによってレンタカー事業者側は、利用者が帰店する前に返却車両の受け入れ準備を整えやすくなる。
利用者の返却遅延を防ぐ仕組みもある。携帯型デバイスには現在地と店舗の距離を計算して、返却時間内に店舗に戻れるよう促すメッセージが自動的に送付される。利用者が返却時間に気付きやすくなり、遅延のリスクを減らす効果が見込める。なお、位置情報監視システムには、アルプスアルパインの独自アルゴリズムによって車両位置推定を行うナビゲーションアプリ「ALPINE SmartX」も標準内容として搭載されている。
位置情報監視システムの今後の展望について、アルプスアルパインはプレスリリースの中で「今後は車両位置情報と、それに連動した日時情報などのログを収集、活用する新しいサービスの提案、創出に取り組みたい。例えば、車両運行のレポーティングの他、車載センサーで取得したデータに基づくメンテナンスの自動化サービスなどを検討している」と語っている。
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