ルネサス エレクトロニクスは、オープンソースのプロセッサコアIPである「RISC-V」を用いた組み込みCPUコアや関連するSoC開発環境のサプライヤーである台湾のアンデスとの技術提携を発表した。ルネサスは新開発のASSPにアンデスのRISC-Vベースの32ビットCPUコアである「AndesCore」を組み込み、2021年下半期にサンプル提供を開始する。
ルネサス エレクトロニクスは2020年10月1日、オープンソースのプロセッサコアIPである「RISC-V」を用いた組み込みCPUコアや関連するSoC(System on Chip)開発環境のサプライヤーである台湾のアンデス(Andes Technology)との技術提携を発表した。ルネサスは、新開発のASSPにアンデスのRISC-Vベースの32ビットCPUコアである「AndesCore」を組み込むことを決めており、2021年下半期にサンプル提供を開始する予定である。
新開発のASSPは、RISC-Vのコアアーキテクチャを採用するルネサスのファームウェアを搭載しており、アプリケーションのパラメータ設定専用のユーザーインタフェースツールとともに提供される。このツールにより、RISC-Vの初期開発とソフトウェア投資へのハードルが下がるという。また、ルネサスの各地域のパートナー企業で構成される広範なネットワークにより最先端の顧客サポートも提供するとしている。
ルネサスの発表文では、同社 執行役員常務兼IoT・インフラ事業本部長のSailesh Chittipeddi氏が「ルネサスは今後革新的なASSPソリューションを提供していくことが可能になる」とコメントを寄せている。つまり、IoT・インフラ事業本部が手掛ける産業機器向け製品群のうち、ハイエンド〜ミドルレンジの32ビット製品に採用される可能性が高い。
現在、ルネサスの産業機器向け製品では、Armの「Cortex-Aシリーズ」を採用する「RZファミリ」がハイエンド、ルネサス独自開発の32ビットCISCプロセッサコアである「RX」を採用する「RXファミリ」がミドルレンジという位置付けだ。
新開発のASSPは、32ビットCPUコアを採用することから、RZファミリの中でも32ビットの「Cortex-A7/A9/A15」を搭載する製品やRXファミリと同じく、ミドルレンジの位置付けで開発が進められる可能性が高い。これによりルネサスは、産業機器向けの32ビット製品群を、Arm、RX、RISC-Vという3種類のプロセッサアーキテクチャで展開することになる。
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