モノを作る上で「測定」はとても重要な要素です。「測定なしにモノづくりは成り立たない」といっても過言ではありません。
材料を切ったり、削ったりして部品を作るにしろ、材料に穴を開けるにしろ、それを狙った寸法に仕上げるためには、作業の途中で何度も寸法を確認する必要があります。
そこで使用するのが、前ページ表1のNo.1〜4に挙げた測定具です。なぜ、複数の測定具を用意する必要があるのでしょうか。その理由は、扱うサイズの単位が「mm(ミリメートル)」だからです。「cm(センチメートル)」で通用する小中学校の図工や技術の授業で用いられる定規やメジャー程度では心もとなく、しっかりと“mmの世界”を精度良く測定できる道具が必要です。また、日常生活においてもモノを測る際などは、mmで表現するように心掛けてください。意識だけでも、ちょっぴり玄人に近づけるはずです。
表1のNo.2に記した「ノギス」とは、2つの爪を使って測定物の2点間の距離を測る道具です。
アナログ式とデジタル式があります。デジタル式は、ノギスを使い慣れていない人でも測定の数値を正確に読み取ることができるのでオススメです。デジタル式は、測定データを出力して生産管理に生かせることから、製造現場でもデジタル式の割合が多くなっています。最近は価格もこなれてきて、メーカー不問なら2000円程度で購入できます。
図2はデジタル式ノギスを使った外側の測定です。
上側の小さな爪を使うと内側の測定ができます(図3)。
さらに、お尻のデプスバー(※)を使って、段差の高さや穴の深さを測ることができます(図4)。
※デプス(Depth)=深さ、奥行きのこと。
No.3の「プロトラクター」は、ホームセンターの店頭などで、直尺の近くによく陳列されています。一見しただけでは、何をする道具なのか分かりませんよね。これは、分度器とブレード(直尺)がジョイントした角度測定器です。
使い方はシンプルで、測定物を分度器の下辺エッジとブレード上辺のエッジで挟んで、真ん中のノブを締め、ブレードに刻まれた「基線」が示す分度器上の角度を読み取るだけです(図6)。直尺やノギスに比べると出番は少ないのですが、材料を決まった角度で斜めに切断したいときの「ケガキ線(木工なら墨付け)」を描く際にも使えるので、1つ持っていると何かと便利です。
ちなみに、ケガキ線を描くケガキ針は図7の通りです。これはノック式のシャープペンシルタイプで、使用しないときには針をしまっておけます。
どんな趣味でもそうですが、形から入ることは悪いことではありません。このように、これまで手にしたことのない玄人っぽい道具がそろってくると、何だか創作意欲が湧いてきて、作れる根拠もないのに何から何まで自作してみたくなります。そういう気持ちはモチベーションアップにもつながりますので、とても大切だと思います。
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