国土交通省は2020年7月31日、全国各地で推進されるスマートシティープロジェクトの中で、特に先駆的な取り組みが認められるモデル事業として「先行モデルプロジェクト」に7事業を選定したことを発表した。
国土交通省は2020年7月31日、自動運転車両やビッグデータなど最新技術を活用するスマートシティー事業の中で、特に先駆的な取り組みが認められるモデル事業として「先行モデルプロジェクト」に7事業を選定したと発表した。公募は2019年に続き2回目で、選定したプロジェクトは累計で22事業となる。
先行モデルプロジェクトに選定された事業は、2020年に実施予定の実証実験を対象とする「スマートシティ実証調査予算」を活用したサポートなどを受けることで、早期社会実装を目指す。この他にも、国土交通省のスマートシティプロジェクトチーム事務局が、国内のスマートシティー事業の支援などを通じて蓄積した経験や知見を基にしたノウハウ支援を行うとしている。
今回、先行モデルプロジェクトとして選定された事業は以下の通り。いずれのプロジェクトも、いわゆるCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やロボティクス、センシングデータ、スマートフォンアプリの活用によって、魅力的な街づくりや都市課題の解決などを目指している。
事業名 | 団体名 |
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さいたま市スマートシティ推進事業 | さいたま市スマートシティ推進コンソーシアム |
羽田空港跡地第1ゾーン整備事業(第一期事業) | 羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会 |
スマート・プランニングをエンジンとしたクリエイティブシティの実現 | 羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会 |
スマートシティ実現で増幅するエリアの引力 | 岡崎スマートコミュニティ推進協議会 |
うめきた2期地区等スマートシティモデル事業 | うめきた2期地区等スマートシティ形成協議会 |
加古川スマートシティ事業 | かこがわICTまちづくり協議会 |
荒尾ウェルビーイングスマートシティ | あらおスマートシティ推進協議会 |
例えば、さいたま市スマートシティ推進事業では、自転車などのシェアリングサービスやICT(情報通信技術)を活用して、交通の利便性向上などを目的とした「さいたま版スマートインフラモデル」の構築を提唱している。同モデルでは、小型電気自動車(EV)や自転車などのシェアモビリティを貸し出すモビリティデポを街中に配置し、エリア内の回遊性向上を目指す。将来的には、シェアモビリティから取得した移動経路情報や、市民の移動ニーズや健康に関する情報、運賃などの決済情報を集約したデータプラットフォームを構築する構想もある。集約した情報を、周遊空間の整備や交通インフラの整備に役立てることが狙いだ。
また、国土交通省は先行モデルプロジェクトと併せて、計画策定などのノウハウを支援することで早期の事業化を図る「重点事業化促進プロジェクト」に5事業を選定したことも発表した。該当する事業は以下の通り。
事業名 | 団体名 |
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ロボットのまち南相馬の復興に寄与するロボットを社会連携インフラとするまちづくり | フクシマロボットシティ推進協議会 |
水戸市スポーツ・観光スマートシティ | 水戸市スマートシティ協議会 |
熊谷スマートシティ推進協議会 | 熊谷スマートシティ推進協議会 |
東村山市におけるSociety5.0実装事業 | 東村山市スマートシティ協議会(仮称) |
スマートシティ推進事業 | 加賀市スマートシティ推進官民連携協議会 |
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