リアルハプティクスとMR技術による食品包装の空気漏れ検査システムを開発FAニュース

情報システムエンジニアリング、慶應義塾大学、モーションリブは、リアルハプティクスとMR技術を組み合わせた食品包装の空気漏れ検査システムを共同開発した。力触覚を数値化して評価するため、人の感覚に依存しない安定した検査結果が得られる。

» 2020年07月15日 09時00分 公開
[MONOist]

 情報システムエンジニアリングは2020年6月18日、リアルハプティクスとMR(複合現実)技術を組み合わせた、食品包装の空気漏れ検査システムを発表した。同社と慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート ハプティクス研究センター、モーションリブが共同で開発した。

 リアルハプティクスは、慶應義塾大学が発明した機械の力加減を操る技術。現実の物体や周辺環境との接触情報を装置に実装し、感触の再現や可視化、分析、遠隔操作、自動化などを可能にする。

 今回、このリアルハプティクス技術を活用し、力触覚を数値化して食品包装の空気漏れを定量的に評価できるようにした。モーションリブが製造した力触覚IC「AbcCore」を搭載した器具で作業者が食品の袋をつかむと、MR技術で、作業者が装着するホロレンズに空気漏れの判定結果が表示される仕組みになっている。

キャプション 袋状食品包装の空気漏れ検査システム(クリックで拡大) 出典:情報システムエンジニアリング

 これまで、スナック菓子など袋状の食品包装の空気漏れを物流センターで確認する場合、仕分けやピッキング時に人が袋を軽く押して判断していた。開発した検査システムでは、検査用の大型設備を導入しなくても、人の感覚や確認作業の熟練度に影響されない安定した検査結果が得られる。

 今後、同システムを応用し、人の感覚や経験という「手作業」での判断を、定量的な力触覚情報に変換して表すことにより、属人的作業からの脱却を目指す。

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