部品点数が多くなればなるほど、マルチボディモデリングでは、まどろっこしさを感じるだろう。そういうわけでいよいよ、アセンブリのワークベンチを試していく。
Free CADは「バージョン0.17」から「Addon manager」が実装された。それ以前のバージョンでは新規にアドオン機能を組み込むのに一手間掛かっていたが、Addon managerのおかげでその作業が簡単になり、気軽に標準機能以外のアドオン機能が使えるようになった。
Free CADのWikiで筆者が確認できたAssemblyワークベンチは4つ。しかし、どれを選べばいいのか……。
Free CADのWikiには「『Assembly 3 Workbench』は開発中なので、Addon managerには入っていない」と書かれていた(記事執筆時点)。どうやら、その後発に当たる「Assembly 4 Workbench」が先に提供されているようだ。
「Assembly 2 Workbench」については、廃止(obsolete)ということで、バージョン0.17以上では動作の保証ができないとあった。また「2や3があれば、1があるはず」と思って探してみた「Assembly 1 Workbench」の情報は筆者が調べた限り見当たらなかった……。
A2plus Workbenchは、上記3つと名前の雰囲気は異なるが、同じアセンブリ系ワークベンチのようだ。Free CADのWikiには「現在、開発が活発で、頻繁に新機能を追加しているので、Addon managerでまめに更新してほしい」とあった(記事執筆時点)。
今回は、最新版かつ無難そうなAssembly 4 Workbenchを使用することにした。画面上のメニューバーの[ツール]−[Addon manager]を選択。ここで「Assembly 4」を選択して[Install/update]ボタンを押せば、すぐにインストールできる(図5)。
ワークベンチの中に、新たに「Assembly 4」が加わった(図6)。
先に述べておくと、実は、この記事で紹介している現行版(安定版)の「バージョン0.18」では、Assembly 4が正常に動作しなかった……。そのため以降の解説では、正常に動かなかった経緯も含めながら、途中で開発版の「バージョン0.19」に切り替えて説明を進めていく。なお、バージョン0.19でも作業の方法は基本的に同じである。
ここでも先ほどのマルチボディのモデリングで使用したモデルを使うことにする。ファイルを新規作成し、Assembly 4のワークベンチを開くと、図7のような画面が表示される。
どこからクリックすればいいのか? ちなみに画面上部の左上の黄色いアイコン「新しいパーツを作成してアクティブ化」を押すと、新規の部品作成画面が表示される。
次に、上のアイコンバーの2段目、一番左にある「Create a new Assembly Model(新しいアセンブリモデルを作成)」をクリックする(図8)。
コンボビューの「モデル」ウィンドウにあるフィーチャツリーには「Parts」と「Model」が同時に追加された。Modelをクリックして展開すると、前述したように座標系(LCS_Origin)や拘束(Constraints)を示す要素が出てくる。まず、このファイルに「assy」という名前を付け、保存しておく。
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