日立製作所は、日立建機の建設機械遠隔監視ソリューション「ConSite」の機能とノウハウを活用した、価値創出型の産業機械アフターサービス強化支援ソリューションを2020年10月から提供する。
日立製作所は2020年6月23日、日立建機の建設機械遠隔監視ソリューション「ConSite(コンサイト)」の機能とノウハウを活用した、価値創出型の産業機械アフターサービス強化支援ソリューションを同年10月から提供すると発表した。「Lumada」の次世代メンテナンスソリューションと位置付け、主に、製造現場や、事務、医療、輸送、運搬に関するM2M(Machine to Machine)やIoT(モノのインターネット)の機能を搭載した機械や機器を手掛ける産業機械メーカーや販売代理店のアフターサービス事業の拡大に向けて提案を進めていく方針。
同ソリューションは、契約台数が累計14.3万台(2020年3月末時点)という日立建機の「ConSite」の実績に裏打ちされた建設機械の遠隔監視・データレポーティング機能を活用し、製造現場の機械・機器や、事務、医療、輸送、運搬に関する機器・装置などの幅広い産業機械向けに適用範囲を拡大してサービスを提供するものだ。さらに、これらの機械のアフターサービスにおけるM2M/IoT機能を最大限活用し効果を出すためのコンサルティングも行う。
ソリューションの特徴は大きく分けて2つある。1つは、アフターサービス事業の拡大や、リモートでの保守業務の品質向上に貢献できる点だ。ConSiteの遠隔稼働監視・データレポーティング機能により、メンテナンスや部品交換などのアフターサービスの提案機会の拡大と提案内容の充実・強化が可能になる。また、保守業務のデジタル化をさらに進めることにより、これまで熟練者のノウハウに依存していた保守作業の標準化を図って、リモートワーク下での保守品質の向上に貢献できる。
もう1つの特徴は、導入コストの抑制と短期間でのスムーズな移行である。コンサルティングの実施により、顧客の基幹システムや保守業務システム、M2M(IoT)システムなどの既存システムおよびこれらのシステムによって蓄積した経営、現場、機器データなどの既存データを最大限活用できる。要件に合わせて導入方法を選択することで、追加システムの導入コストを抑えるとともに、新システムに短時間でスムーズな移行が可能になる。導入方法としては、顧客の既存システムにソフトウェアを設置して運用する「オンプレミス」と、SaaSなどのネットワーク上のサービスを使う「クラウドサービス」がある。
生産現場や物流施設で用いられる産業機械の故障発生によるダウンタイム(運転停止時間)削減や機械のライフサイクルコスト低減のニーズは高く、近年は、保守に従事する熟練技術者の不足や製品自体の技術の高度化が進展しており、デジタル技術を活用した保守・保全の最適化・高度化が一層求められている。そのために、機械へのM2M/IoT機能の実装による稼働データの収集や見える化の取り組みも浸透しつつあるが、現場での活用や価値の創出、アフターサービスのビジネス拡大につなげることが難しいという課題があった。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、リモートワークによる保守の効率化と省力化のニーズも高まっている。
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