PTCは、クラウドベースの3D CAD製品を手掛けるOnshapeの買収以降、CAD/PLM業界の製品開発において、SaaS製品開発プラットフォーム「Onshape」の導入が加速しているとの見解を示した。
PTCは2020年6月15日、クラウドベースの3D CAD製品を手掛けるOnshapeの買収以降、CAD/PLM業界の製品開発において、SaaS(Software as a Service)導入が加速しているとの見解を示した。2019年10月の買収から、企業や教育機関などでSaaS製品開発プラットフォーム「Onshape」の採用が進み、数百件の新規ユーザーを獲得しているという。
Onshapeは、堅牢なCADと強力なデータ管理、コラボレーション機能を組み合わせた、クラウドベースの3D CADプラットフォームとなる。Onshapeの販売は買収以降、3倍に増加しており、同社はOnshapeに投入するリソースを大幅に拡大して、より幅広い市場への展開を進めている。
事業の継続的な拡大は、CADや製品ライフサイクル管理(PLM)市場がクラウドに移行し、SaaSモデルのメリットを生かす準備が整っていることを示す。新型コロナウイルス感染症の影響で働き方が変化し、システムはいつ、どこでも利用できることが重要になっており、Onshapeはそのためのツールとして活用できる。
教育機関でも、次世代の製品設計者を育成するために、Onshapeを無料で高校生と大学生に提供している。この取り組みにより、Onshapeは10万人以上の学生や生徒、教育関係者に利用されている。
また、人工呼吸器などの新製品開発にも利用されている。ボストンのMasksOn.orgは、新型コロナウイルス感染症患者の治療にあたる医療従事者向けのシュノーケリング用マスクの作り替えにOnshapeを活用。また、ハードウェアのスタートアップ企業Meterは、設計者向けリアルタイムコラボレーション機能を利用し、短期間で「Rise Emergency Ventilator」の設計、製造、臨床テストを完了している。
Onshapeは今後も継続的な機能強化を予定しており、同社はSaaS戦略の必須要素として開発を進めるとしている。
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