AGCの「世界最速」の調光ガラス、新型ハリアーのパノラマルーフで採用 : 材料技術
AGCは2020年6月18日、調光ガラス「WONDERLITE Dx」が量産車に初めて採用されたと発表した。
新型ハリアーに調光ガラス「WONDERLITE Dx」が採用された(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車
AGCは2020年6月18日、調光ガラス「WONDERLITE Dx」が量産車に採用されたと発表した。量産車での採用は「世界初」(AGC)だとしている。
採用モデルはトヨタ自動車が2020年6月17日に発売した「ハリアー」の新型車で、上位グレードのメーカーオプションとして設定されている。障子のように光を遮る調光モードと、透過モードを切り替えることができる。この調光ガラスは透過と調光を切り替えるスピードが「自動車用外装ガラス向けでは世界最速」(AGC)で、タイムラグなく瞬時に調光を切り替えることができる。
WONDERLITE Dxの構造(クリックして拡大) 出典:AGC
WONDERLITE Dxは、2枚のガラスの間に特殊なフィルムを挟んだ合わせガラスだ。フィルム内の液晶粒子が電圧のオンオフによって同じ方向に整列したり、ランダムに並んだりすることによって調光する。フィルムは九州ナノテック光学製だ。
スイッチがオフの状態ではガラスは不透明で、液晶粒子がランダムに並んでいるため外からの光が散乱される。スイッチがオンでフィルム内に電圧が加わると、液晶粒子が光を通す方向に整列し、ガラスが透明に見える。WONDERLITE Dxはオン、オフどちらの状態でも紫外線を約99%カットする。
新型ハリアーの調光パノラマルーフは上位グレードの「Z“Leather Package”」「Z」でオプション設定となっており、税込価格は19万8000円。車載情報機器の「T-Connect」を契約した場合、音声入力で調光を操作することができる。
調光モード時の構造(クリックして拡大) 出典:AGC
透過モードの仕組み(クリックして拡大) 出典:AGC
自動車の窓ガラスが鏡に! 産総研が調光ミラーシートを開発
産業技術総合研究所(産総研)は、自動車などの窓ガラスを、透明な状態から鏡の状態に切り替えられるガスクロミック方式の調光ミラーシートを開発した。従来のエレクトロクロミック方式の調光ガラスと比べて20倍の切り替え速度を実現している。
フロントガラスがくもらない、水分を吸収する樹脂膜コートで
AGCは2018年12月19日、同社が開発したくもりにくいガラスがダイハツ工業の「コペン クーペ」のフロントガラスに採用されたと発表した。ドライバー視界部での採用は「世界初」(AGC)だとしている。
AGCが「ガラス業界初」の取り組み、日米欧の3極に電波暗室を開設
AGCは、自動車用ガラスアンテナの開発拠点となる電波暗室をベルギーのゴスリーに建設したと発表した。日米欧の3極で自動車用ガラスアンテナの開発体制を整えたのは「ガラス業界初」(同社)だという。
樹脂フロントウィンドウで3割以上の軽量化、採用モデルは2017年秋から市販
帝人は、電気自動車(EV)ベンチャーのGLMにポリカーボネート樹脂製フロントウィンドウを供給する。GLMはスポーツオープンカー「トミーカイラZZ」のオプションとしてポリカーボネート樹脂製フロントウィンドウを設定、2017年秋から発売する。樹脂製のフロントウィンドウが市販車に採用されるのは「世界初」(帝人、GLM)。
フロントガラス全面がヘッドアップディスプレイに!? 積水化学が新素材
積水化学工業は、フロントガラス全面にヘッドアップディスプレイ(HUD)の表示を投影できる合わせガラス用中間膜を開発した。透明度が高い発光材料を中間膜に採用し、プロジェクターのレーザーが当たると中間膜が発光するようにした。小さい投影ユニットでもHUDの表示面積を大型化できる
ガラスルーフや進化したADASが標準装備、ダイハツの新型「タフト」
ダイハツ工業は2020年6月10日、軽自動車の新モデル「タフト」を発売したと発表した。軽自動車「タント」や小型SUV「ロッキー」に続く、新世代のクルマづくり「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」の第3弾となる。1974〜1984年に同名のモデルが販売されていたが、新型タフトは後継モデルではない。
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