ザイリンクスは、放射線耐性を有する航空宇宙グレードのFPGA「Kintex UltraScale XQRKU060」を発表した。ML機能の実装と超広帯域幅の通信が可能で、衛星および宇宙アプリケーションでの利用を見込む。
ザイリンクス(Xilinx)は2020年5月19日(現地時間)、放射線耐性を有する航空宇宙グレードのFPGA「Kintex UltraScale XQRKU060」を発表した。ML(機械学習)機能の実装と超広帯域幅の通信が可能で、衛星および宇宙アプリケーションでの利用を見込む。40×40mmのセラミックパッケージで提供する。
XQRKU060-1CNA1509のフライトユニットは、MIL-PRF-38535準拠のXilinxクラスBおよびクラスY認定デバイスとして、同年9月上旬から提供する予定。メカニカルサンプルとプロトタイプユニットは既に提供中だ。KCU105評価キットまたはFPGA開発キットを使用してプロトタイプを作成できる。
XQRKU060は、大容量オンチップメモリを搭載し、高密度で高電力効率の演算機能を備える。科学的分析、物体検出、画像分類といった深層学習向けに最適化され、INT8でのピーク性能は5.7TOPs(Tera Operations Per Second)を達成している。DSPスライスは2760個で、最大1.6TeraMACの信号処理演算を実行し、浮動小数点演算の効率も向上。32個の高速トランシーバー(SerDes)により、集約I/O帯域幅は最大400Gbpsに達する。
柔軟なリコンフィギュレーション、リアルタイムオンボード処理、MLの高速化が可能で、衛星でのビデオ・オン・デマンドの提供、打ち上げ直前や衛星軌道上でのアップデートができる。
20nmプロセスを採用し、サイズ、重量、消費電力を大幅に削減。打ち上げ時の振動や軌道上の放射線への耐性など、低軌道、中軌道、静止軌道の全軌道、深宇宙探査に必要な要件を満たす。
2020年は空前の火星探査イヤーに、はやぶさ2が帰還しH3ロケットの開発も着々
パナソニックが航空宇宙事業本部を発足!? 100年後は火星のくらしをアップデート
民間参入で拡大する日本の宇宙産業、火星シェア100%のウインドリバーが熱視線
変貌する月面探査の勢力図――国家から民間、そして個人の時代へ
観測ロケット「MOMO」の打上成功から何が生まれるのか、次なる挑戦は「ZERO」
リコー「THETA」が宇宙へ踏み出す、JAXAとの共同開発で実現Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
組み込み開発の記事ランキング
コーナーリンク