「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

コンチネンタルが統合コックピットでパイオニアと協業、アジア市場向けで車載情報機器

パイオニアとコンチネンタルは2020年5月26日、統合コックピットの開発における戦略的提携に合意したと発表した。

» 2020年05月27日 07時30分 公開
[齊藤由希MONOist]

 パイオニアとコンチネンタルは2020年5月26日、統合コックピットの開発における戦略的提携に合意したと発表した。

 パイオニアはマルチメディアやナビゲーションなどインフォテインメント向けのアプリケーションをコンチネンタルに提供。コンチネンタルは、コックピット向けのモジュールプラットフォーム「コックピットハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)」にパイオニアのアプリケーションを統合する。開発した統合コックピットはアジア市場を中心に提供していく。

 これまでの自動車のHMI(ヒューマンマシンインタフェース)は、メータークラスタとインフォテインメントシステムが個別のディスプレイで構成されていた。メータークラスタとインフォテインメントシステムは供給するサプライヤーが異なるため、表示される情報は部位ごとに固定されており、協調して動作することが難しかった。

 しかし、HMIで扱う情報量の増加や機能の充実に伴い、必要な情報をタイミングに応じて適切な場所に表示したり、ドライバーの好みに応じて表示をレイアウトしたりするなど柔軟さが求められている。こうしたニーズに対応するのが統合コックピットだ。単一のECU(電子制御ユニット)でメータークラスタとインフォテインメントシステムを動作させることで、両者が連携して必要な情報を優先させたり、自由に表示レイアウトを変更したりできるようにする。また、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)で機能を継続的に更新させるため、メータークラスタとインフォテインメントシステムを分離して動作させることも求められる。

 コンチネンタルのHPCは統合コックピット用ECUに相当し、車両内の全てのディスプレイと操作系を統合するとしている。統合コックピットの製品化に当たっては単一のハードウェアで多くのソフトウェアを提供する必要があり、パイオニアと協業してコックピット向けのアプリケーションを充実させることを決めた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.